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クリスマスに聴きたいしっとりジャズベスト3選(2ページ目)

クリスマスソングは、一年の中でこの十二月にしか聴くことができない音楽です。それだけに印象は強く、クリスマスソングが流れてくるだけで、楽しく、暖かい気持ちになってしまいます。今回は、しっとりとジャズによって演奏されたクリスマスソングをご紹介します。

大須賀 進

大須賀 進

ジャズ ガイド

テナーサックス奏者としてライブハウスで活躍した経験と、 レコード約3,000枚、CD約1,000枚を保持するJAZZ収集家としての知識を活かし、ジャズの魅力をわかりやすくお伝えします。

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スムース・ジャズのヒットメーカー、サックス奏者 ケニーG 「ミラクルズ、ザ・ホリデイ・アルバム」より「ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」

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今やすっかりスムース・ジャズのレジェンドになったケニーG。ケニーGといえば、何と言ってもジャケットの写真にもあるようにソプラノサックスのイメージ。でも、ここでは、今となっては珍しいケニーGのテナーサックスによる演奏をご紹介します。

もともと、ケニーGは、テナーとソプラノを両方用いていました。初期の1970年代のジェフ・ローバー・フュージョン時代やソロデビュー当時はむしろテナーサックスがメインでした。それが、1987年の「ソング・バード」の大ヒットにより、本人もすっかりソプラノに鞍替えしてしまったという経緯があります。

ケニーGがリスペクトするグローヴァー・ワシントン・ジュニアはテナーもソプラノもどちらも個性的でした。しかし、ケニーGの場合は、ソプラノは非凡ですがテナーは今ひとつ特徴が無いと言ってよいでしょう。

ところが、そのテナーによって演奏されたこの「ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」は、なぜか心に残る名演になりました。

それは、おそらくこのヴァージョンが映画によって効果的に使われ、この演奏に初めて接したのがその映画だったからかもしれません。1994年の「34丁目の奇跡」という現代のサンタクロースを描いた心あたたまるストーリーです。
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ケニーGは、この都会的で小粋なメロディを、あまり崩すことなく、忠実に演奏します。もちろん、ケニーG独特の時に耳につくトリル(トリルとは、音をすばやく上下させるテクニックで、歌で使えば、コブシのような雰囲気が出ます)を多用した節回しは健在ですが、それがこの曲に限っては、気にならず、むしろ良い方向へ行っています。

このアルバム「ミラクルズ、ザ・ホリデイ・アルバム」は、ケニーGの多くのアルバムの中でも、聞き飽きのこない、良質なアルバムになっています。クリスマスの時期には外せない定番のスムース・ジャズ・アルバムの一枚です。

次のページでは、現代のフランク・シナトラと言われる人気ヴォーカルの登場です!
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