男性心理を考えているヘアケア
ユニークなCMで一気に知名度を上げたのが、バスクリンが展開するインセントスカルプ ニョッキ。「新発想!血流実感」と謳っているように、マッサージなどと組み合わせて滞りがちな頭皮の血流を促進させるのが目的です。おもしろいのは、薬用泡のスカルプシャンプー。通常、泡で出てくるタイプのものはキメが粗くすぐにへたってしまうのが多いのですが、こちらはかなり濃密。泡がしっかりと持続して、最後まで優しく洗浄できます。シャンプーの原液を頭皮につけると刺激が強いので、この泡タイプは大変、使いやすいです。
また、週に1~2回のスカルプクレンジングもエアゾールタイプで、心地いい製品。シャンプー前のプレケア製品はつい忘れてしまったり、塗布後にしばらく置いておく必要があったりとわりと面倒でした。しかし、これは塗れた髪に塗布して、すぐに流してOKという手軽さが男性にぴったり。ユーザー目線を忘れない開発が、よく表れています。
ただし、こちらのシリーズにコンディショナーがないのが、唯一残念な点。最近の男性はヘアスタイルも多様で、髪が短い人はあまり使いませんが、長い人には必須です。今後、ラインナップの充実が期待されるところです。
フケやかゆみのケアにも優しいアプローチ
h&sのスカルプEXシリーズは男性の悩みの筆頭にも挙がってくる、フケ・かゆみに着目したものです。独自の有効成分・マイクロZPTにより地肌ストレスに働きかけて、健やかに導くというもの。乾燥や大気汚染など頭皮や髪を取り巻く環境が、悪化している中で、このような悩み別のシャンプーの存在も選択肢が広がります。
そして、こちらもまたただ皮脂を取り去るというアプローチではなく、うるおいを与えつつ髪のハリやボリュームを損なわないことを目的にしています。このように、優しくケアするというのが、最近の特徴と言えます。
エアリーでナチュラルなスタイルにシフト
男性のスタイリング剤も幅が広がってきました。少し前にポマードなどのウエットで七三分けにするスタイルが流行りましたが、そのようなしっかり作り込むトレンドはやや下火に。今はナチュラルなスタイルが若い世代を中心に広がっています。主にナチュラル、エアリーなどは女性のスタイルを形容する言葉でしたが、最近は男性にも積極的に使われます。ワックスやジェルなどで毛束を作って、いかにもスタイリングしました、というデザインを敬遠する層もいます。
そんな時流から出てきたのが資生堂プロフェッショナルが展開したトゥルーエフェクターのニュートラルでしょう。素髪の質感を生かすことができ、自然な仕上がりになるというものです。
ヘアスタイルはまさにその時のトレンドを色濃く反映します。上記のもの以外でも、リガオスのスタイリング剤はヘアケアもできる処方を採っており、ここでも髪や頭皮に負担をかけず、しかもデザインを楽しめるようになっています。ボディ、ヘアともにきちんとケアをする男性が益々増えていくことでしょう。
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