睡眠薬を長くのむと認知症になりやすい

睡眠薬と認知症

睡眠と認知症には、深い関係があります

不眠を訴えて診察にこられる患者さんに、睡眠薬を処方しようとすると、「睡眠薬を飲むと認知症になりやすいって、本当ですか?」と、尋ねられることがよくあります。不眠そのものが認知症の発症リスクになるので、答えるのが難しい質問ですが、今年、一つの答えが出ました。

カナダに住む67才以上の高齢者を対象として行われた、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と認知症の関係をみる調査がそれです。アルツハイマー病の患者さん約1,800人と、認知症ではない約7,200人が比べられました。

6年~10年前までさかのぼって研究されましたが、睡眠薬を飲んでいる人は飲んでいない人の1.5倍、アルツハイマー病になりやすいことが分かりました。

睡眠薬の量が増えると、認知症になるリスクも高まります。標準的な飲み方をした場合、90日分以下しか睡眠薬を飲んでいない人は、全く睡眠薬を飲んでいない人と同じ程度のリスクしかありません。しかし、91日~180日分飲んだ人は1.3倍、180日を超えて飲んだ人は1.8倍も、認知症にかかりやすくなります。

睡眠薬が効く時間によっても、認知症になるリスクが変わります。催眠効果が長いタイプの薬を飲んだ人は、効果が短い薬よりも高リスクで、全く飲まない人に比べて1.7倍も、認知症になりやすいことがわかりました。

不眠は認知症以外にも、うつ病や生活習慣病の原因となります。認知症の発症リスクに気をつけながら、必要なときには必要な量の睡眠薬を、なるべく短期間のむのがよいと考えられます。

【関連サイト】
ベンゾ系睡眠薬 長期服用で…アルツハイマー発症、リスク1.5倍

眠れない原因はペットかも?

ペットと睡眠

ペットがいると、良いこともあれば悪いこともあります

いろいろな場面で、心を癒してくれるペット。「ペットと一緒にいると、気持ちが落ち着いてよく眠れる」と、いう方も多いでしょう。寒い時期には、湯たんぽ代わりにペットを抱いて眠る人もいます。

一方で、ペットによって引き起こされる睡眠の問題で、悩む人も多くいます。米国・メイヨークリニックの研究者が、今年の米国睡眠医学会で、ペットと睡眠障害に関する研究を報告しました。

それによると、2002年に夜間、ペットに不都合な思いをさせられていた人の割合は、わずか1%でした。それが、2013年の8月~12月に110人の患者で調べたところ、10%もの人が眠りを妨げられていました。

睡眠が妨げられていら立つ原因で多いのは、ペットのいびきやクンクンぐずること、うろうろ歩き回ることなどでした。そして、このいら立ちの程度は、家族の人数や飼育するペットの数が多いほど、強くなることもわかりました。

ペットと人間では、体内時計の進み方が違うため、生活リズムにずれが生じます。そのため、飼い主が眠っていたい時間でも、ペットが起きて活動することはよくあります。ペットと眠ることのメリットとデメリットを知ったうえで、ペットと楽しく暮らしていただきたいと思います。

【関連サイト】
カップルが一緒に眠るのは良いこと? 悪いこと?

1年間で15%の人が寝ぼけている

寝ぼけ・錯乱性覚醒

朝は寝ぼけず、スッキリ目覚めたいものです

一般的に「寝ぼけ」と呼ばれる現象を、睡眠医学では「錯乱性覚醒」といいます。錯乱とは、「意識が混濁し,思考に混乱をきたすこと(大辞林第三版)」と、いう意味です。

深い眠りから強制的に起されると、すぐには脳が正常に働かず、つじつまが合わないことを話したり、おかしな行動をとったりします。

2000年にヨーロッパで行われた研究では、一般住民の4.2%が寝ぼけを経験すると報告されました。「ちょっと、少なすぎないかな?」と思っていましたが、このほど実感に近い数字が発表されました。

アメリカに住む18歳以上の住民約1万6千人を対象とした研究によると、過去1年間に寝ぼけたことがある人は、15%にのぼりました。このうち過半数(54%)の人は、週に2回以上も寝ぼけています。また、82%の人は、1年以上の期間に2回以上の寝ぼけを経験していました。

錯乱性覚醒のエピソードを経験したことがある人の71%に、睡眠異常がありました。なかでも、概日リズム睡眠障害がある人や、9時間以上の長時間睡眠者が、もっとも錯乱性覚醒を起こしやすいことが分かりました。

何らかの精神障害がある人も、よく寝ぼけます。特に寝ぼけのリスクが高いのは、躁うつ病とパニック障害でした、他にも、うつ病やアルコール依存症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、不安症でも、寝ぼけやすくなります。

今回の研究では、錯乱性覚醒と睡眠薬や気分安定薬との関連は、認められませんでした。しかし、錯乱性覚醒は、これらの薬の副作用として起こりえますから、薬を飲んだあとは十分注意してください。

【関連サイト】
起床障害の原因と対策



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