生活習慣・生活リズムのベースになる睡眠と覚醒

快眠のための生活習慣

睡眠を改善するためには、食事や運動などの生活習慣の見直しが大切です

夜はぐっすり眠り、日中はスッキリと活動できる。昼と夜、そして覚醒と睡眠のリズムがしっかりできていると、心身のリズムが整って健康的な生活を送れます。逆に、生活習慣が乱れ、睡眠と覚醒のリズムがバラバラの状態で、風邪などの病気にもかかりやすくなってしまいます。

一般の人に睡眠の知識を広めるために書かれた「睡眠検定ハンドブック」(全日本病院出版会)には、睡眠の質を良くする生活習慣のチェックリストが載っています。ここではその項目に解説を加えながらご紹介します。

ちなみに「睡眠検定ハンドブック」は、睡眠検定に合格するためのテキストです。もっと睡眠に関する知識を深めたいと思う人は、睡眠検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。詳しいことは、睡眠健康大学のサイトをご覧ください。

体内時計をメンテナンスする

私たちの体を作っているほぼすべての細胞には、体内時計があります。人間の体内時計は24時間より少し長いので、毎日リセットして外界の24時間に合わせなければなりません。そのためには、規則正しい生活やしっかり光を浴びることが大切です。

次の5項目は、体内時計を整えて生体リズムを規則正しくする習慣です。できているかいないかを、チェックしてみましょう。
  • 毎日、ほぼ決まった時間に起きている
  • 朝食は、よくかみながら食べている
  • 午前中に太陽の光をしっかり浴びている
  • 8時間睡眠にこだわらず、自分に合った睡眠時間を規則的に守っている
  • 睡眠時間が不規則にならないようにしている

ぐっすり眠るためにしっかり目覚めていることが大切

歩く女性

歩くと、覚醒物質のセロトニンが増えます

睡眠と覚醒は、振り子のようなものです。明るい時間帯にしっかり目覚めていると、夜にはぐっすり眠れます。しかし、日中の覚醒度が低いと、夜に寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりします。

たとえば、休みの日に遅い時刻まで二度寝をくりかえしていると、目覚めてからもなかなか眠気が取れないのは、これによるものです。日中にシッカリ目覚めておくためには、太陽の光を浴びて、活動的に過ごすことが大切です。

日中や就床前の良好な覚醒状態を確保するための生活習慣は、次の7項目です。
  • 日中はできるだけ人と会っている
  • 日中はたくさん歩いて活動的に過ごしている
  • 趣味などを楽しんでいる
  • 日中は太陽の光に当たっている
  • 昼食後から午後3時の間に、15~20分(55歳以上では30分以内)の昼寝をしている
  • 夕方に軽い運動や、体操や散歩をしている
  • 夕方以降は居眠りをしていない

質の良い入眠のためには準備が必要

夜になったら、少しずつ眠る準備をしましょう。自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は日中に活発に働きますが、眠る前には交感神経をしずめて、副交感神経が優位な状態を作る必要があります。

そのために、夜になったら光やカフェインなどの刺激物を控えましょう。ぬるめのお風呂に入ると、心身ともにリラックスできて眠る準備が進みます。寝床の中でスマートフォンや携帯電話を使うと、睡眠の質が悪くなります。スマートフォンなどの画面は小さいですが、ここから出る青い光(ブルーライト)は、睡眠ホルモンのメラトニンを減らすので要注意です。

次にあげる10項目が、就寝前のリラックスと睡眠への脳の準備をする生活習慣です。
  • 夕方以降はコーヒーや緑茶などを飲んでいない
  • 寝床に入る1時間前からタバコを吸っていない
  • 寝床に入る1時間前には部屋の明かりを落としている
  • ぬるめのお風呂にゆっくりつかっている
  • 寝床でテレビを見たり、仕事をしたりしていない
  • 寝室は静かで適温にしている
  • 寝る前にリラックス体操(腹式呼吸)を行っている
  • 眠るために、お酒を飲んでいない
  • 寝床の中で悩み事をしていない
  • 眠たくなってから寝床に入っている
以上、22項目の生活習慣チェックリストを、「睡眠検定ハンドブック」からご紹介しました。

すでに行っていることは、これからも続けてください。これまでやってこなかったことのうち、やればできるかな、あるいはやってみようかなと思う項目があれば、一つでもよいですから今日から始めてみましょう。1カ月も続くと、きっと睡眠の質が良くなったと実感できるでしょう。

さらに快眠環境について知りたい方は、「睡眠環境・寝室・ベッドの工夫」を、睡眠と覚醒のメカニズムや睡眠のリズムの詳しい解説は「睡眠のメカニズムとリズム…夜眠くなり朝目覚める理由」を、自分で睡眠の質を診断したい方は「世界標準の快眠度チェックリストで、睡眠の質を測ろう」をお読みください。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。