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ツリーに光を灯したのはルター!?クリスマスの光の意味

寒さが厳しくなるこの季節に、クリスマスの飾り付けやイルミネーションを見ると何故か気持ちが高揚します。しかし日本では都市の街かどに氾濫するイルミネーションに比べ、家の中での光が少ないように見えます。そもそもこの光の起源は何だったのでしょうか。今年こそクリスマスの光の意味と歴史を理解して、イルミネーションを家で飾ってみてはいかがでしょう。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

クリスマスイルミネーションの起源

窓辺の七枝燭台

写真1. .窓辺の七枝燭台

家庭でのクリスマスデコレーションは家々の事情によって違うものの、例えば欧米ではクリスマスツリーを主体にリースや七枝燭台、キリスト生誕を表したジオラマの展示になります。

キールナー

写真2. 北極圏の小さな都市、キールナーの美しいイルミネーション

それは夜に住宅街を歩いていると家々の窓辺や窓越しの様子から何となく伺えます。(写真1.2)

クリスマスツリーの起源はドイツと言われています。木は多くの場合モミの木が使われます。

その他に松や柊(赤い実をつける別名クリスマスホーリー)、月桂樹など冬季でも葉を落とさない常緑樹になりますが、神の三位(父と子なる神、イエスキリスト、聖霊)一体を記述するため三角形の形状がふさわしく、それにもっとも近い木がモミだったのです。

クリスマスツリーイメージ

図1、マルティン・ルターが考案したと思われるのクリスマスツリーのイメージ

クリスマスツリーにイルミネーションを飾ろうと考えたのは、中世の宗教改革者で有名なマルティン・ルターと言われています。

1510年、彼が礼拝の帰りに常緑樹の間から見える星空の美しさを自分の子供にも見せたい、と言う気持ちから、小さなモミの木を家の中に持ち込み、木が燃えないよう枝の先端に星の光をイメージした小さなろうそくを灯したそうです。(図1)

その後、徐々にこのイルミネーションが普及しますが、ろうそくの扱い方が悪いと火災も時折あったようです。

中世ヨーロッパの都市に住む人々にとって、夜は悪霊が支配する時間帯と信じられていました。そこで大人でも夜のある時間帯から、街の治安を守る夜警団以外の外出が禁止されていました。

悪霊が家の中に入らないよう、家々の玄関も分厚い扉を閉め、厳重に鍵がかけられていました。その名残である夜警団(今では観光目的)と分厚い扉は今でもドイツのローテンブルグで見ることができます。

外に出て星を自由に見ることのできない子供たちにとって、特にクリスマスツリーに灯されたろうそくの光に美しい星の輝きを重ね合わせていたと思われます。

次のページでは「クリスマスイルミネーションとは」についてご紹介します。

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