医療保険/医療保険の見直し方

「先進医療」と保険見直しの考え方

医療保険の中でも「先進医療」について話題になることが多くなってきました。先進医療の技術料は、種類によっては高額になります。では、実際の使い勝手はどうなのでしょうか?その費用と保険の見直しの考え方について解説します。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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先進医療とその費用とは?

先進医療とその費用とは?

各生命保険会社がここ2~3年医療保険の改定をしたり、新商品を発売しています。その中でも最近話題となっているものの一つが「先進医療」の保障です。

特約として付帯できる医療保険や最初から付帯しているものまでさまざまですが、先進医療の保障部分の保険料は非常に安く月々100円ちょっとの金額です。

コストは非常に安いのですが、そもそも先進医療ってホントのところはどうなのでしょうか。先進医療の費用や実際の使い勝手を紹介した上で、先進医療を考慮した上での保険の見直しについて解説します。

先進医療とは何か?

先進医療は以前、高度先進医療とも呼ばれていました。平成18年10月の健康保険法等の一部を改正する法律により、従来の高度先進医療と先進医療が統合・再編されて先進医療となりました。

医療技術も日々進歩しています。先進医療は新たな医療技術の進歩や患者の多様化する要望等に対応するために、一般の保険診療で認められている医療の水準を超えた最新の先進技術として厚生労働大臣から承認された医療行為のことを言います。

もう少し簡単に言うと、日々進歩していている医療技術には、研究段階から医療現場で使用できるレベルまで段階があります。その中でもすでに研究段階から現場で使える段階にあるものの、ごく一部の限られた医療機関でしかできない医療技術があり、それが先進医療となります。

例えば、ある先進医療が全国でも東京の一病院でしかできないのに、保険扱いにしたら遠方の人には不公平となるため、先進医療の技術料は保険扱いにしておりません。またそのために先進医療の費用は高額になりがちになります。

ちなみに先進医療は、平成22年5月1日現在で86種類(第3項先進医療技術指定の21種類を除く)となっています。

※参照
厚生労働省 先進医療を実施する医療機関の一覧、先進医療の各技術の概要

 先進医療と各社の医療保険について

 最初にお話したように各保険会社の医療保険にはこの高額になりがちな先進医療の技術料を保障するものがスタンダードになりつつあります。ここ数年で発売されているものだと保障額が1,000万円前後を上限に実費負担してくれるようなものが多くなっています(保険会社によってこれより多いものも少ないものもあります)。

なお、終身医療保険でも先進医療の保障については80歳までと終身の保障になっていないものも多いのでこの点は勘違いしないようにしてください(終身にできるところもあります)。

先進医療についてよく引き合いに出されるのが、がんの放射線治療の一つである「重粒子線治療」です。先進医療の技術料の中でも最も費用のかかるもので、その費用は300万円を超える金額になります。

だから先進医療の技術料まで保障される医療保険が良いというのは間違いではありません。前述の通り保険料も安いです。ただし過剰な期待も禁物です。

現状この重粒子線治療のほとんどが千葉県の稲毛にある重粒子医学センター病院で行われているので人によっては地理的な障壁が生じます。またすべてのがんを対象にしているわけではありませんし、病院が現在の患者の個々の病状なども診た上で治療すべきかどうかの判断がされるようです。

ガイドは昨年この病院に併設されている独立行政法人放射線医学総合研究所の施設を見学する機会がありましたが、がんになって重粒子線治療を受けたいと思っても、上記のように重粒子線治療を受けられるかどうかは金銭的な問題だけに限らないということでした。

次のページでは先進医療と保険の見直し、その考え方について解説します>>>>>>>>
 

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