戸倉上山田温泉で評判の旅館とは?

戸倉上山田温泉

戸倉上山田温泉の全景

長野県の北部に位置する千曲市を代表する温泉が、戸倉上山田(とぐらかみやまだ)温泉です。千曲川の両岸に開けた風光明媚な温泉地は、古くから善光寺参りの精進落としの湯として発展してきました。また、アルカリ性単純硫黄泉で刺激が少なく、お肌がつるつるになることから、「美肌の湯」としても知られています。

そんな戸倉上山田温泉に、アメリカ人の若旦那さんがいる温泉旅館があり、評判になっているという話が伝わってきました。時を同じくして、「ジャパンガイド」という観光サイトを運営している夫のもとに、その若旦那さんからコンタクトがあり、オフィスを訪ねてきてくださったのが昨年のこと。そして今年2014年に、戸倉上山田温泉の取材に、「ジャパンガイド」のスタッフとともに私も行ってまいりました。

旅館「亀清」はこんなところ

亀清旅館

亀清旅館のご夫婦、タイラーさんと磨利さん


その温泉旅館は「亀清(かめせい)」といいます。若旦那はシアトル出身のタイラー・リンチさん、奥様は若女将の磨利さん。女将である磨利さんのお母様とともに旅館を切り盛りし、3人のお子さんたちと楽しく暮らしていらっしゃいます。

初めてタイラーさんにお会いしたのはうちのオフィスでしたが、まずビックリしたのがその背の高さ。2メートルはあるのでは!?と思われるほどの長身で、お話する時にはかなりの角度で見上げなければなりません。その長身に、藍色の作務衣が不思議なほどよくお似合いでした。日本語を流暢に話し、お土産にお手製のシアトルクッキーを持ってきてくださったのには感激しました。このクッキー、亀清旅館ではお茶請けにお客様にお出ししているそうです。

お話しているとタイラーさんのお人柄が感じられ、「きっといい雰囲気のお宿なんだろうなあ」と思いつつ、お訪ねしてみましたら、本当に思った通り。あたたかいおもてなしを受け、温泉旅館ならではのゆったりくつろげる空気に満ちていました。

天井が高く広いエントランスとロビー、中庭は美しい日本庭園で、池には鯉が優雅に泳いでいます。お風呂は噂通りのしっとり優しい泉質で、男女1つずつの内風呂のほか、なんとタイラーさんがご自分で造った露天風呂も! これには驚きました。

旬のもの、そして地元の食材をふんだんに使い、料理長さんが腕をふるった夕食も楽しみの一つ。完食してお腹いっぱいになっても、胃にもたれないのが日本食のうれしいところです。寝る前にもう一度温泉に入り、朝風呂もゆっくり楽しめば、ほどよくお腹がすいてきて、朝食も全部おいしくいただきました。

若旦那さん、がんばる

ガイドが感心したのは、タイラーさんが地元のみなさんとたいへん親しく交流されていることでした。

戸倉上山田温泉周辺の観光地を案内していただいた時は、どこへ行っても顔見知りの方々ばかりで、「ああタイラーさん、どうも~」という感じで、挨拶を交わしていらっしゃいます。地元の観光振興のために、そして外国のお客様にもっともっと来ていただくために、タイラーさんがいろいろ活動していらっしゃるお話をうかがっていたので、そんなご努力が地元の方々にも受け入れられているのだなあと思いました。

タイラーさん、千曲市観光協会理事や長野県観光課の事業にも協力されているほか、地元の「上山田神楽保存会」のメンバーとして獅子舞の笛も吹いていらっしゃるそうです。
実はガイドの私も和太鼓をやっておりまして、笛の練習もしているのですが、これがなかなか難しい。そう簡単にいい音が出ないのです。毎日のように練習しないと……。

旅館のお仕事だけでなく、いろいろなことに全力投球のタイラーさん。奥様との馴れ初めから若旦那修行に至るまでの経緯はどのようだったのか、磨利さんにうかがってみました。