スペイン国立ダンスカンパニーの芸術監督に就任して3年が経ちます。
これまでの手応え、成し得てきたとものとは?
マルティネズ>ナチョ・ドゥアトが芸術監督を務めていたときは、ネオ・クラシックかコンテンポラリー作品のみ踊っていました。国立のバレエ団というよりは、ドゥアトというアーティストのカンパニーだったんです。全ては、ドゥアトが去った2010年に変わりました。スペイン文化庁から芸術監督として任命されたとき、私は全てのレパートリーを再構築しなければならなかった。ですから、スタート時はかなり大変でした。私はもともとパリ・オペラ座にいたので、ダンサーたちは私が『ジゼル』や『白鳥の湖』をレパートリーに入れるだろうと思っていましたし、大半のダンサーは長い間クラシック作品を踊っていませんでした。
その上、ドゥアトが彼の作品を持って去ってしまったので、カンパニーにはレパートリーが何も残っていませんでした。事実、2011/2012年シーズンは何の公演も予定されていなかった。私の最初の使命は、2011年の最後の4ヶ月間で、フォーサイス、プレルジョカージュ、ヨハン・インガー、アレハンドロ・セルード等の作品を、2012年1月公演のプログラムとして準備し、構築することでした。
以来、徐々にレパートリーは広がり、公演数も増えました。2012年は36だった公演数が、2014年には70公演になりました。海外公演に関しては、国内公演の倍になっています。現在、レパートリーには『ライモンダ』、バランシンの『アレグロ・ブリランテ』、『フー・ケアーズ』、フォーサイスのいくつかの作品などがありますが、こうした国際的に活躍する振付家の作品と同様に、スペインの振付家が我々と仕事をするために集まって来ています。おそらく、私がイメージしているカンパニーのルネッサンス期と言えるでしょう。
『ヘルマンシュメルマン』 (C) Emillio Tenorio