味覚を高める白い光、胃腸の働きを助ける温かい光
写真5.左:5000Kに設定したキッチン 右:2700Kに設定した様子
調光・調色は光の生理的効果が期待でき、例えば白い光で明るい照明は味覚が敏感になるため、調理の作業に適した光です。一方温かい光で落ち着いた明るさは胃腸の働きを活発にすることから、食事をするダイニング照明に勧められます。
(写真5)
このシステムは「住まいの演出を快適にサポート」で紹介したLEDならではの機能を持った照明器具です。
寝室は1800K~2700Kの変化
写真6. 寝室は基本的に色温度の低い照明に。左は2700K、右が1800K
このダウンライト器具も調色・調光機能を持っていますが、上述に紹介したダウンライトとは異なり、通常の電球色の2700Kからさらに色温度が下がり,より温かい光になります。
これは白熱電球の調光を模したものになります。白熱電球は調光によって暗くすると色温度が下がり、光色はどんどん深い赤みを帯びて(2700→1800K)、まるで蝋燭や夕日のような明かりになります。
また、より温かな光で低照度の照明は安眠を促す効果も明らかで、寝室ではより色温度が下げられるこのような光が有効です。(写真6)
写真7. 蛍光灯の紫外線が、不点時に天井の蓄光部を光らす。
クライアントのリクエストで選定した内装の仕上げが蓄光機能を持っていて、シーリングライトの明かりを消すと天井面に星空が現れる仕掛けが施されています。(写真7)
これは蛍光灯の持っている紫外線による効果で、紫外線を持たない一般のLED器具では、この効果が弱まります。
LED器具の調光・調色機能を持った住宅照明事例はまだ少ないと思います。しかし器種も増えており、価格面も安定してきたので、今後の普及が期待されます。なお、紹介している写真は引き渡し前で家具や調度品がまだ入っていない時のものです。
写真1.2.提供:o-works
【関連記事】
「LEDの色温度を考える」
「料理を数倍おいしく見せる照明」
「照明を意識して、質の良い睡眠を得よう」
Copyright(c)中島龍興照明デザイン研究所. All rights reserved.