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住宅照明事例:LED器具で2種類の調光調色

LED照明の普及により、照明における「調光・調色」という言葉が日常的に聞かれるようになりました。白熱電球でも「調光」を利用することが多く、様々なメリットがありました。一方LEDでは白熱灯にできなかった特性を生かして、家庭でも「調光・調色」が普及しつつあります。今回は生体心理学を念頭に置きながら調光・調色のLED器具を使用した住宅をご紹介します。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

LED特有の2種類の調光・調色

外観

写真1.外観の夜景

今回ご紹介する住宅は、都内の閑静な住宅街にある3階建ての延べ床面積が約150平方メートルの新築物件です。建築設計はo-worksで、照明は中島龍興照明デザイン研究所が担当いたしました。(写真1)

本棚に囲まれた吹き抜けスペース

吹き抜け・本棚

写真2. 本棚の鉛直面を広く明るくするためには器具の選定と配置がポイント

1階の中心にあるリビングの上部は吹き抜けになっていて、2階部分にはその吹き抜けを囲むように本棚が設置されています。

2階通路側の本棚は通路の明るさも兼ねていますが、あえて本棚側に広角配光のダウンライトを近づけて配灯することで、本棚の鉛直面を広く、そして明るく照らされるようにしています。(写真2)

書籍の多さはクライアントの仕事の関係によるものですが、吹き抜け側の本棚はディスプレイもできるようになっていて、1階のリビングのソファに座りながら本の展示が楽しめるようになっています。

窓上のスポットライト

写真3. スポットライトで上部と下部の2方向を照明する

吹き抜けに面する低天井部分には、広角配光のダウンライトを取り付けて、リビングに隣接するダイニングの照明も兼ねて全般的な明るさが取れるようにしています。

また窓の上部にライティングダクトを設置してスポットライト器具を取り付けることで、ディスプレイ本棚を照明する上向きの光とリビングのテーブルを照明する下向きの光を組み合わせました。(写真3)


 
リビング・ダイニングに面して大きな窓の開口があり、デッキにも出やすくなっています。デッキとの段差がないため、窓をあけると室内と一体化した開放感が得られるようになっています。

デッキ照明

写真4 .リビング・ダイニングルームに面するデッキ。低位置に明かりを作ることで落ち着いた雰囲気に

このデッキ部分には一部開口があり、植栽されているため、植栽の緑を照明するだけでなく、デッキの床面も明るくなるよう低位置型器具を設置しました。

器具の高さは650mmですが、デッキに隠れている部分もあり、デッキ上には450mm程度が出ています。

あえて低い位置で明るくすることにより、デッキ面に座って夕涼みを行っても行燈のような落ち着いた雰囲気を出せるようにしました。(写真4)

1階の開口とデッキスペースは、木製ルーバーで囲まれているため、外からの視線は遮りますが、中の温かな光が外にも漏れ、夜間の帰宅時にもウェルカムライトとして機能させることが出来ます。(写真1)

次のページでは「調光調色機能のメリットを生かしたキッチンスペースと寝室の照明」をご紹介します。

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