「明るさと光の色」の関係

自然光は日夜刻々と変化しています。このような光の変化には明るさ(照度や輝度)と光色(色温度)があります。

いずれも時間の経過と天候に大きく影響を受けますが、天候の安定している日では夜明けと夕暮れの光が一日の中で最も変化しているときです。

夕方のある時間帯の照度は1秒経つごとに約1ルクス低下しています。それは計測器で測定しないと目では分かりにくい違いですが、1分で60ルクス、10分で600ルクスの減少ですから大きな変化と、言えます。

また、光色に関しては、日の出、日の入り時の太陽光は日中の白さ (色温度が高い)に比べ、オレンジ色(色温度が低い)になります。その時の明るさは日中よりかなり暗くなっています。

人工照明が発達する以前、人々の暮らしを想像すると、明るく白い光のもとでは生産活動に励み、温かい光に変わる夕暮れ時には、生産活動から解放されて休息の時間帯に入ります。

そして夜は暗い蝋燭や油の灯火など、更に温かな光のもとで可能な娯楽によって一日の疲れを癒してきたと考えられます。このように日常的な生活シーンにも「明るさと光色」の関係があり、長い年月に及ぶその記憶があたかも私たち現代人の遺伝子に記録されているかのように思われます。

電灯照明が普及し始めた70年以上も前に、採光だけではなく人工光の全般照明にも「明るさと光色」に重要な関係があることに気づいたオランダのクルーゾフは、被験者を参加させて実験から統計的なある法則を導き出しました。

この法則は以前にも紹介いたしましたが、クルーゾフ以降、日本の研究者も日本人の感覚ではどうなのかを調べた同様の実験を行っています。
クルーゾフ

図1.例えば全般照度は150ルクスの部屋は2500~3300Kの光源による照明が快適


双方に若干の違いはあるものの、共通して言えるのは全般照明が白い光(色温度の高い)で明るいと活動的で、気分をさわやかにしますが、同じ白い光で暗くなると陰気で寒々しい感じになることが分かっています。

一方、白熱電球のような赤っぽい光(色温度が低い)であれば、照度が低いくても穏やかな雰囲気になります。しかし、この光で照度が高くなると暑苦しい印象になり不快感を覚えます。(図1)

このように同じ照度でも光の色によって、心理的な印象が大きく異なるのです。

最近、一般の生活者のなかでも「明るさと光色」の関係が少しづつ認知されています。

そこで主要な照明メーカーはLED照明の「効率」や「寿命」の次なる特長として「光の制御」をアピールすることになり、調光・調色の可能な照明器具が続々発売されるようになってきています。

次のページでは、住宅照明に勧められる照明器具で、コイズミ照明から発売されている調光調色機能付きLED照明とメモリーコントローラ「Fit 調色」をご紹介いたします。