テクノポップ/アーティストインタヴュー

ウクレニカ=ウクレレ+エレクトロニカ?(3ページ目)

12月10日に新譜が出るウクレニカは、ムーンライダーズの岡田徹さんが中心になって結成されたウクレレ4人組(+夏秋文尚さん、吉田孝さん、黒田英明さん)。ムーンライダーズの『マニア・マニエラ』『カメラ=万年筆』などからの楽曲が、“ファニーでトリッキー、でもナチュラルな新感覚のウクレレ・ミュージック”に変換。岡田さんにその“モダン・レコーディングの冒険”について語っていただきました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

モダン・レコーディングの冒険

ガイド:
岡田さんは1993年にはアコーディオンでソロ・アルバム『星空のアコーディオン』をリリースされたり、Life Goes Onではテクノポップ・アコーディオン・バンドを組んだり、ひとつの楽器でそれもどちらかというと異ジャンルの楽器で、新しい世界を作り上げたりされています。楽器がインスパイアする部分というは強いのでしょうか?

岡田:
Life Goes Onのケースでは、ある日ふとクラフトワークの「Robots」のあのリフをアコーディオン数人でやらかしたら面白そうだな、というか聴いてみたい、やってみたい、が発端です。それでボク周りのキーボード奏者に声をかけてボクの妄想に巻き込んじゃいました(笑)。今回のウクレニカでは、ウクレレに由来する音だけでやりきる!!がテーマの一つでした。

ガイド:
ウクレニカは、ウクレ(レ)+(エレクトロ)ニカの造語ですよね。今回のアルバムは、パーカッションも含めて基本ウクレレのみで演奏されていると理解しますが、最終的に仕上げていくにあたってエレクトロニカ的に聴こえる曲もあり、その辺りはどのように音作りされたのですか?

ukulenica-logo

ウクレニカ・ロゴ


岡田:
ミーティングを重ねていくうちにウクレレ名人方向ではなくミニマル的な要素を加えたり、エレクトロニカとかテクノのイディオムを踏まえつつ、かつウクレレのストロークの気持ちよさ、遥かな響きといったようなナチュラルな快感原則から外れないようにしよう、ということでデモ作りが始まりました。でもこれって経験値のない未知の領域で、言ったはいいが、コレっといった取っ掛かりのあるものが見えてきませんでした。どっちかに振っちゃえばもっと楽なんでしょうね。そうこうしてるうちに「Kのトランク」でやっとアタリついた感じがあったのでメンバーに聴かせたところ、この路線で行こう、と。それでこの「ファニーでトリッキー、でもナチュラルな新感覚のウクレレ・ミュージック」ができあっがたわけです。後半戦は〆切りの関係もあり吉田画伯のローズプラネット スタジオに集合して人間打ち込みのタフなレコーディングの様相に(笑)。まさにAdventures in Modern Recording*!!

*「ラジオスターの悲劇」で有名なThe Bugglesのセカンド・アルバム『モダン・レコーディングの冒険(Adventures in Modern Recording)』(1981年)。当時、あまり話題にならなかったが、トレヴァー・ホーンがサンプラーを駆使した、後の成功の土台となったとも考えられる作品。岡田さんのスタジオの名前は、頭文字をとった「AMOR Studio」。

ガイド:
ウクレレはソプラノ、コンサート、テナー、バリトンと4つのサイズがあるとの事ですが、今回のレコーディングではどのウクレレを使われたのですか?

岡田:
バリトンは使用していません。ソプラノ、コンサート、テナー、の他に6弦ウクレレ、バンジョー・ウクレレを使用しました。
ukuleles

各種ウクレレ


 

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