テクノポップ/アーティストインタヴュー

ウクレニカ=ウクレレ+エレクトロニカ?(4ページ目)

12月10日に新譜が出るウクレニカは、ムーンライダーズの岡田徹さんが中心になって結成されたウクレレ4人組(+夏秋文尚さん、吉田孝さん、黒田英明さん)。ムーンライダーズの『マニア・マニエラ』『カメラ=万年筆』などからの楽曲が、“ファニーでトリッキー、でもナチュラルな新感覚のウクレレ・ミュージック”に変換。岡田さんにその“モダン・レコーディングの冒険”について語っていただきました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

マニラマニエラ

ガイド:
ムーンライダーズのカヴァー集でもありますが、「Kのトランク」など『マニア・マニエラ』から4曲も選ばれています。これには単なる偶然でしょうか?

マニア・マニエラ (amazon.co.jp)
maniramaniera

マニラマニエラ


岡田:
先にも触れたようにミニマル的要素が濃い曲もやろう、ということだったので、自然と『マニア・マニエラ』からの曲が多くなっていますね。MC-4の打ち込みとか、テープループとか取り入れてるし…

ガイド:
『青空百景』の前に作られたこの不遇なアルバムは、レコードでの発売が当時されず、1982年時点では当時まだ普及していなかったCDのみの発売となりました。ライダーズのファンからすると、とんがっていたけど別に難解でもなく十分ポップな作品だと思うんですが、岡田さん自身はどう感じられていましたか?

岡田:
当時はレコード会社が乗ってくれないとレコードを出せなかったですからね。ソコがこの内容じゃ宣伝費かけられない、ということであれば、「じゃ、次行ってみよう!」って感じですぐ新作に取りかかったんじゃないかな。ただあの頃リリースに関しては、レコード会社、事務所、出版社サイドのコントロール下にあったので詳しい経緯はよくわからないし、忘れてしまいました(笑)。

ガイド:

「Kのトランク」はヴォーカル・ヴァージョンもあって、そちらはカメラ=万年筆の佐藤優介さんと佐藤望さん。バンド名(もとを辿れば「ヌーヴェル・ヴァーグ」)からしてもライダーズ・チルドレンと思っていますが、お二人にお願いした理由は?

岡田:
去年のクリスマスの頃かな、たまたまライヴハウスで望くんが歌っているのを目撃&聴いて、なんと気持ちいいファルセットなんだろう、とえらく印象に残りました。で、どこかで彼のファルセット多重コーラスを使いたいな、と思っていて今回「Kのトランク」にいいんじゃないか、ということで参加してもらいました。優介くんは、ちょくちょくデモ、ライヴなどで歌声を耳にしていたので、それがまたイイので「キミ達もっと自分達のアルバム歌わなきゃ」と会うたびにハッパかけてました(笑)。で、ここはカメ万セットでの参加となったわけです。メインヴォーカルの声にはローランドVP550(ヴォイスプロセッサー)を通してます。ハイパーアコースティックなサウンドと相性がよかったので。

カメラ=万年筆

ガイド:
そのアルバム『カメラ=万年筆』から2曲、そして「ロリータ・ヤヤ」のヴォーカルは、日仏ハーフのマイカ・ルブテさん。クラウドファウンディングでアルバムを制作されているようで楽しみです。オリジナルの「ロリータ・ヤヤ」を改めて聴いてみましたが、かなりアヴァンギャルドな曲。そして、今回のヴァージョンもマイカさんのヴォーカル、ウクレレ、どれも相性がいいなぁと感じますが、この曲は最初から割とやるべき曲みたいな位置だったのでしょうか?

岡田:
マイカちゃんは夏秋さんの紹介です。彼女にオケを聴いてもらい、面白がってくれて即参加が決まりました。すっかり彼女のヴォーカルがお気に入りのボクは(しかもシンセ女子)先日のCTO LAB.のギグでもフィーチャリングで2曲ほど参加してもらいました。ずっとカバーしたかったマリー・ウイルソンの「Beat the Beat」やったりして。

ガジェット貴族三人組、CTO LAB. (All Aboutテクノポップ)

 

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