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データに見る「資格と就職」【資格ニュース1410】

日々のニュースを追えば、「仕事に活かせる資格」の最新動向が見えてきます。毎月、先月までに発表されたニュースの中から今後の動向が気になるトピックスを厳選してお届け。今回は2014年10月分です。

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

日々のニュースを追えば、「仕事に活かせる資格」の最新動向が見えてきます。
毎月、先月までに発表されたニュースの中から今後の動向が気になるトピックスを厳選してお届け。今回は2014年10月分です。

【今回注目したニュースはこれ!】
■調査データから見えてきた!みんなの「資格と就職」
■「介護職」資格要件緩和で、介護人材不足を解消!?

調査データから見えてきた!みんなの「資格と就職」

このたび、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が発表した「職業資格の取得とキャリア形成に関する調査(WEB調査結果の概要)」。
調査は、ビジネスパーソンの自己啓発やキャリア形成の支援策を探るための基礎研究として実施されたもので、報告では

1.職業資格を取得した人がどのような意識や方法で取得のための活動を行い、どのような課題があったか
2.自らの職業資格についてどのように評価しているか
3.仕事をしながら資格を取得したケースでは働き方や処遇に変化がみられたか
4.仕事を辞めて取得活動を行ったケース等については就職活動に効果があったか
5.これから職業資格を取得したいと考えている人の意識やニーズはどのようなものか

などについて概要が取りまとめられました。

それによると、今回の調査では6割近くの人が在職中に資格を取得。資格によっては、資格を活かすことができる部署に異動したり、資格手当がつくようになったといった回答が多く見られるものの、一方で、資格を取得したことで、働き方や収入面での変化があったという人は必ずしも多くはないという結果に。

また、新たな就・転職を目指す場合の資格の効果については、半数以上の人が「資格を活かせる仕事に就くことができた」と評価しているものの、内訳で見ると求職中に(仕事をしながら)資格を取得した人で「資格を取得したことは、就職活動に効果がなかった」という人が2割強で、仕事を辞めて学習に専念した人の68.1%が「効果があった」と答えているのとは対照的な結果となりました。

資格と就職の効果については、資格の分野など様々な要因がありますが、求職中に資格を取得した人の場合、学習時間の制約などもあり、比較的取得が容易な資格を選ぶ傾向が高く、自分の適性や労働市場のニーズと必ずしもマッチしていないことも一因として分析されています。そのため、こうした人たちがアドバイスや情報提供を受けられるよう支援する必要があると締めくくられていました。

少し「お堅い」データではありますが、時には、こうしたデータに表れた働く人の「生の声」から、自分のスキルアップ、キャリアアップについて考えてみるのも良いのではないでしょうか。

「介護職」資格要件緩和で、介護人材不足を解消!?

2025年度までに約100万人の増員が必要とされるという介護分野の人材不足を解消するため、厚生労働省が介護資格の要件緩和に乗り出すことがわかりました。
具体的には、現行の「介護職員初任者研修」の研修時間を短縮するか、もしくは、より研修時間の短い新資格を創設する案が挙がっており、今後、有識者による専門委員会で検討されることになるようです。

また、これに合わせて、経済連携協定(EPA)対象国であるフィリピン、インドネシア、ベトナムから介護分野への外国人受け入れ案も浮上、新たに外国人技能実習制度を介護分野に広げるなどの拡充策も議論されるとか。

とはいえ、今回のニュースを聞いて真っ先に思ったのは、「あれ?それってホームヘルパー3級と何が違うの?」でした。
ホームヘルパー3級は、座学や実習などを合わせて50時間の講習受講で取得できた、かつての介護職の「入り口」的資格のこと。介護未経験者の方々にとっても人気の資格でしたが、身体介護はできず生活援助のみと制約もありました。

2011年に厚生労働省が介護人材確保と介護サービスの質向上のために打ち出した、介護職の資格を「介護福祉士」に一本化するという方針に基づいて、ホームヘルパー3級は廃止へ。現在の「介護職員初任者研修」がスタートしたわけですが、今回の「要件緩和」の動きは、内容次第ではこの流れを逆行するとも言えそう。
新制度になったとき、例えば既にホームヘルパー3級を持っている人はどのような扱いになるのか、かつての厚生労働省の方針との整合性はどうなるのか、など実現に向けてはクリアすべき様々な課題がありそうです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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