ウェイクの車高の高さにメディア絶賛! でも、車高を上げれば課題も
ダイハツから『ウェイク』という、背の高さをアピールポイントにした新型軽自動車が出てきた。メディアの反応を見ると、みなさん絶賛に近い。とはいえ、車高を上げていくと当然のことながら課題も出てくる。ウェイクを紹介しながら「背の高さ競争」について考えたいと思う。まずウェイクから。キャビンスペースを最大限に確保するための車高は1835mm。車幅が1475mmなので、車体の断面を見ると驚くほど天地方向に大きく、狭い。ちなみに今まで「背高ワゴン」と呼ばれていた同じダイハツの『タント』と言えば、車高1750mm。ウェイクがいかに高いかがわかると思う。
十分に広いキャビンスペースを持つ『ムーヴ』だと1620mm。身長をイメージして頂ければ実感出来るんじゃなかろうか。言うまでも無く、クルマは背が低い方がカーブでバランス良いし、緊急回避操作などの場合も安定します。加えて、横風を受けた時などの安定性も車高が低ければハンドルを取られにくい。
もちろんカーブでハンドル切った時に転倒しないよう開発段階でチェックしてあるだろうけれど、横風や搭載した荷物、道路のウネリなど(道路を見ればわかる通り、路肩は傾斜が付いている)複合した条件だと少しばかり心配だ。こればかりは消費者側でテストしてみないと不明。
ムーヴ、タントと比べてウェイクの価格はどうか?
価格もウェイクになると急激に高くなってしまう。簡易型自動ブレーキを含め、ほとんどフル装備のムーヴ『L"SA"』は116万2285円。同等の装備内容持つタント『L"SA"』で125万4857円だから10万円高。まぁこのあたりまでなら広さを考えると許容出来るかもしれません。 同等装備のウェイクの『D"SA"』と言えば139万3200円。いや、ウェイクのようなクルマだと電動スライドドアとかも欲しくなるため、売れ筋は『L"SA"』の156万6千円以上になっているそうな。ナビなどオプションを加えていけば200万円近い支払い金額になってしまう。さらに車重だって増えていく。ムーヴは810kg。タント920kg。ウェイク990kgといった具合。20%も重くなった車体を同じエンジンで走らせようとすれば、どうしても性能が悪くなってしまう。ウェイクの車重をキチンと走らせようとすれば、ターボ付きエンジンでないと物足りない。 つまり背を高くすれば安定性悪くなり、高価になり、重くなってしまう。クルマとしての性能やスペックは単純に悪くなる。そして得られるのは広さです。ガイドが使う限り、ムーヴで何ら不満を感じない。というか、1.3リッター級のコンパクトカーと比べたって遜色ないと思う。
タントになれば、もう使い切れないほど広い。なのにウェイクを選ぶというのは、おそらく流行なんだろう。冷静になって評価してみると、オーバーキャパシティかもしれません。猫も杓子も背高に走らず、ジックリと「自分が必要とするキャビンスペース」を評価してみたらいかがだろう。
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