誰もが親しみと尊敬をこめて愛称“健さん”と呼んだスター俳優は、数えきれないほどの映画に出演してきました。おそらく高倉健を知る人は、それぞれに思い出の作品があると思います。今回は中期・後期の感動作、海外の作品、スケールの大きな話題作にスポットをあててご紹介しましょう。
健さんが泣かせる!感動三部作
『幸福の黄色いハンカチ』(1977年度作品)北海道にやってきた青年(武田鉄也)と彼がナンパした女性(桃井かおり)と一緒に旅することになった主人公の島(高倉健)。トラブルから人を殺してしまい、出所したばかりの彼は、愛する女が住む夕張へ向かっていた。もしも自分を待っていてくれるなら、庭先に黄色いハンカチをと手紙にしたためていたのだが……。
有名なラストシーンは「こうなるだろうな」とわかっていても泣ける! 言葉は少ないけれど誠実さがにじみ出ている高倉健の魅力がつまった映画。健さん主演作の中でもいちばん女性受けしそうです。
監督:山田洋次 出演:高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおりほか
『駅 STATION』(1981年度作品)
警察官であり射撃の五輪選手でもある男(高倉健)が妻と別れ、任務を遂行しながらも、さまざまな人との出会いを経て、再び孤独に戻っていく姿を描いた人間ドラマ。
寒々とした景色が高倉健に似合います。妻子との別れ、妹の悲劇、怒りも悲しみも静かに受け止める主人公のブレない生き様にしびれる。こういう役が似合う役者、今はいないですね。
監督:降旗康男 出演:高倉健、倍賞千恵子、いしだあゆみ、烏丸せつこ、古手川祐子、根津甚八
『鉄道員(ぽっぽや)』(1999年度作品)
ずっと真面目に仕事をこなしてきた鉄道員の男(高倉健)が定年を迎える。そして彼が務める駅の鉄道は廃線が決まっていた。そのとき、彼の前に少女から高校生までの三姉妹が次々と現れる……。
浅田次郎が直木賞を受賞した小説の映画化。実直な鉄道員がこれまでの人生を振り返ったとき、思いがけないご褒美が……。寡黙で不器用という高倉健の定番キャラクターとはいえ、みんなこういう健さんを見に来るのだからこれでいいのです。
監督:降旗康男 出演:高倉健、大竹しのぶ、広末涼子、吉岡秀隆、安藤政信ほか
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