VW(フォルクスワーゲン)/その他のフォルクスワーゲン車

VW初の電気自動車、e-up!の走りは?

フォルクスワーゲンがAセグメントのコンパクトカー、up!をベースに仕立てたのが電気自動車のe-up!。2015年にはゴルフEVのe-GOLFも導入するなど、EV戦略を加速させる。その走りっぷりはどうだろうか?

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

フォルクスワーゲン初の市販EVが登場

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航続可能距離はJC08モードで185km。最高速は「ノーマル」で130km/h、発進時の最大トルクは210Nmもあり、ストップ&ゴーも軽快にこなす。価格は366万9000円で、補助金で300万円は切る見込み


ゴルフとup! にEVモデルを設定し、2015年から発売することはすでに報告済み。発表会では秋葉原の街を15分程度ちょい乗りしたが、分かることは限られていたので改めてご報告したい。

2月1日から受注開始、年央から納車される予定のe-up!が先の登場で、e-ゴルフは2015年半ばの発売予定とのことで試乗車はe-up!のみ。フロア下に重量230kgで、18.7kWhのリチウムイオン電池を積むe-up!は、最大出力60kW(82ps)、最大トルク210Nmの性能を持つ小型モーターに最大374Vの電圧を供給するというもの。

公表値は12.4秒で100km/hに達し、最高速度の130km/hまで達するとのこと。気になる航続可能距離はJC08モードで185km。片道1時間程度の通勤、日常の買い物や送迎ならこと足りるもので、e-ゴルフは同モードで215kmだから兄貴分のゴルフEVと比べると近距離用ということになる。

高速道路での走りはどうか?

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シフトレバーの前方にドライビングモードのスイッチを配置し、ノーマルの最高速は130km/h、エコは120km/h、エコプラスは95km/hになっていて、航続可能距離は逆にエコプラス、エコ、ノーマルの順で伸びることになる


秋葉原の街では試せなかった高速域の走りを確認すべく、まず1区間だけだが高速道路に向かった。ドライビングモードは「ノーマル」、「エコ」、「エコプラス」が用意され、回生ブレーキの減速レベルは、回生なしで減速は最小限となる「D」、そして「D1/D2/D3/B」と「B」に近づくほど回生ブレーキが強くなり、「B」で最大になる。

まずは、「ノーマル」の「D」で高速に入ると、流入路でも十分な加速が得られ、楽に高速道路に合流できる。すさまじくパワフルではないが、高速道路で流れをリードできる加速は持ち合わせている。ただし、全開加速をしていると高速道路の1区間程度でも見る見るうちにバッテリー残量は減っていくし、そんな走りは似合わない。

「エコ」にすると、「ノーマル」の4.9秒(0-60km/h加速)が6.1秒と1.2秒遅くなるそうだが、体感できるパワーダウンではあるものの、「実用にならない」ほどの落ち込みではない。なお、「エコ」では最高速が120km/hになるから追い越し車線では場合によっては厳しいかも推測できるが、普通に走る分には問題ないだろう。

「エコプラス」は明らかに「電費」優先で、60kWの最高出力が40kWまで下がるだけに、住宅街などをゆっくり走る際に向いている。最高速は95km/hで、発進性も加速レスポンスも高速道路ではややシンドイ。

次ページは、e-up!の乗り心地について
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