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美空ひばりら、昭和歌謡界の歌姫のジャズは名盤揃い(2ページ目)

今やジャズはワールドスタンダードな展開を見せ、日本においても色々なシーンでジャズが日常的に取り上げられるようになりました。今回は、ジャズが日本に入ってきた当時、ジャズにあこがれ、ジャズを自分なりに理解し、思いっきり表現した昭和の歌謡界の歌姫たちをご紹介いたします。

大須賀 進

執筆者:大須賀 進

ジャズガイド

江利チエミ「チエミ・プラス・ジャズ」より「いつか何処かで」

「Chiemi + Jazz」(チエミ+ジャズ)

「Chiemi + Jazz」(チエミ+ジャズ)


ひばりの次は、ひばりとともに「三人娘」(もう一人は雪村いづみ)といわれた江利チエミです。江利チエミは、なんといってもデビュー曲の「テネシー・ワルツ」が大ヒットして、一躍スターダムにのし上がったシンデレラ・ガール。

実力もその名声にふさわしいだけのものを持ち合わせていました。その、歌唱をジャズに絞って聴くことができるのがこの「チエミ・プラス・ジャズ」です。

このCDでは、大ヒット「テネシー・ワルツ」はもちろん、代表曲の「家へおいでよ」など、パンチにあふれたチエミの歌唱を楽しむことができます。

チエミの特徴は、その爆発的なパンチ力。リズム乗りもよく、ロックンロールやラテンなどジャンルを問わずに、リズミックな歌に本領を発揮します。

二十三曲目の「ダウン・バイ・ザ・レイジー・リヴァー」はそのダイナミックなチエミの真骨頂。迫力ある歌声に引き込まれること請け合いです。

チエミの良さがその元気な歌だということは承知の上で、私が今回ご紹介したいのは、アップテンポの曲の間にひっそりとおかれた、バラードの「いつか何処かで」です。

この曲は、1937年のミュージカルに挿入された曲で、リチャード・ロジャース(曲)&ロレンツ・ハート(詞)による、スタンダードソングです。スウィング時代からいろいろなミュージシャンに取り上げられたこの曲。チエミのヴァージョンでは、普段あまり使われないヴァース(本編に入る前に導入部として歌われる部分)から歌われます。

ここでチエミは、ヴァースをしっとりと日本語で歌います。かすれぎみの声と、普段とは違うしとやかな雰囲気が、歌詞の内容と相まって、聴いていてゾクゾクするほど色っぽいのです。

普段は元気いっぱいのチエミが見せる、ふとした仕草のたおやかさ。男は、このギャップに弱いのです。

ストリングスの前奏から、ゆっくりと歌いだすチエミ。00:35からの「君を求めて、夜ごと痛む」の歌詞にハッと胸を打たれます。テーマ部に入ってからは、切々と二人の愛をうたうチエミ。

音楽は進み、02:13の「愛にみちたまなざし」の歌詞部分に、そして最後03:04に至って「and love before」と感情をあらわにするチエミに聴いているこちらがノックアウトされてしまいます。

パンチ、リズム、そして時折見せるたおやかさ。江利チエミはヴォーカルとしてそれらをすべて歌で表現することができる、非凡な才能の持ち主であったことは、間違いありません。

次のページでは日本が誇るハスキー・ヴォイスの歌姫が登場!

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