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気性が荒い子どもを社交的に育てるコツ!

気性が荒い子どもに困っているママへ。母親としては、自分の子どもにお友達遊びや外出先などで、出来るだけ癇癪を起こさず上手くやって欲しいもの。今回は気性が激しい子どもの性格を社交性・積極性にいざなう子育てのコツをご紹介します。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

気性が荒い子どもを社交的に育てるコツ!

気性が荒い赤ちゃんや子ども

せめて外では上手くやって欲しいというのがママの本音

気性とは生まれつきのもの。だから、癇癪を起こしやすい子、そうでない子がいるのが現実です。ママはすぐに大泣きする我が子に翻弄されがちですが、うまく立ち回ることで、ママの悩みを軽減するばかりか、それを強みに変えることができます。この記事では、我が子の気性の激しさにどう向き合うべきか悩んでいるママに、悩みを強みに変える秘訣をご紹介していきます。
 

<目次>
 

赤ちゃんや子どもの気性は生まれつき。ママは十分頑張っている

ママが一生懸命我が子と向き合っているのに、すぐに癇癪を起こす、泣き出すと止まらない……。そんなとき、ママは「こんなに頑張っているのに、私の何かがいけないの?」と自分を責めてしまうことがあります。でも、気性とは生まれつきのもの。ママが必死にあやしても、ぐずってしまう子がいるのが現実です。

そんな子供の生まれ持った気性を受け入れることは、もちろん大切なことですが、ママとしては、できれば臨機応変に立ち回りたいもの。特に、お友達遊び、外出先などでは、出来るだけ上手くやって欲しいと思いますよね。

以前アメリカの大学が出した研究結果によると、母親の接し方によって、気性の激しい子の外でのふるまいが大きく変わってくるということが分かりました。早速その研究データを見ていきましょう。
   

気性の荒い子どもでも親の接し方で変わってくる!

その研究では、赤ちゃん84人を0歳から2歳まで追跡調査をする形で行われました。

■生後1カ月のとき
その子の気性の激しさを診断。84人のうち、
  • 3分の1が気性が非常に激しい子(グループ1)
  • 3分の2が気性の激しさがほどほどな子(グループ2)
と見なされました。

■生後12ヶ月のとき
両グループの子の母親とのアタッチメントレベルを診断(アタッチメント=精神的な絆)。
  • アタッチメントがしっかりとしていると診断された子は、困ったとき、不安を感じたとき、母親の方を振り返り、安心感を得るという典型的なアタッチメント行動を見せた
  • アタッチメントが不安定と診断された子は、そのような振り返り行動を見せなかった

■生後18ヶ月と24ヶ月のとき
母子で実験室に来てもらい、見知らぬ大人達や見慣れないおもちゃに囲まれると、子供達がどのような反応をするかを観察しました。すると、
  • グループ1(気性が非常に激しい子)で、アタッチメントがしっかりしていると診断された子が、もっとも社交的で積極的だった
  • グループ1(気性が非常に激しい子)で、アタッチメントレベルが低いと診断された子が、もっとも非社交的だった。子供らしい好奇心旺盛な行動ももっとも少なかった
  • グループ2の子には、アタッチメントのレベルでの差が見られなかった
つまり、気性の激しい子ほど、ママから得る安心感の効果が直に現れやすいのだそうです。ママが困ってしまうあの行動は、実は愛情を求める裏返し。「ママなんか大嫌い」どころか「ママが見えないと困っちゃう」というわけなのですね。
 

気性の激しい赤ちゃんや子ども……ママはどんな子育てをすべき?

  • 所構わず、すぐにぐずってしまう
  • お友達とケンカになる
というのは、ママの悩みの種になりがち。ママも「もういい加減にして!」と言いたくなります。でも、
  • 気性が激しく、かつ、母親からの安心感を得られない子ほど、社会での適応が難しくなる
  • 気性が激しくても、ママがしっかりサポートしてあげると、社交上手になる
という今回の結果を踏まえると、泣きわめく我が子に、ママが怒鳴りつけたり、距離を置いたりするのは得策ではないのが分かります。その場を収拾できないばかりか、アタッチメント形成にもマイナスの作用を引き起こしてしまうからです。

私は、これまでにも、「困ったときこそ、引き寄せる」の法則をお伝えしてきました(詳しくは下記参照)。気性の激しい子でも、その法則が当てはまるようです。

普段、育児のお悩みを聞いている立場で思うのは、苦労しているママほど、母親としての実りが大きくなるということ。悩みがないと毎日がスムーズに過ぎていきますが、悩みが多いと、試行錯誤を繰り返しながら、前に進むことになるからです。

気性の激しい子は、穏やかな子に比べると、確かにママは大変です。でも、そんな子ほど、ママを強く求めているのです。今、頑張って、我が子の愛を受け止めてあげると、のちに、必ず大きな実りとなって現れてきます。

なお、アタッチメントの育み方のポイントについては、次の2つの記事に詳しく書いていますので、ぜひご参照ください。

『0~1歳半:親とのアタッチメントを育む時期』
『1歳半~3歳:アタッチメントを広げていく時期』

また、「困ったときこそ、引き寄せる」の法則については、こちらの3つの記事をご参照ください。

『魔の2歳児を抱きしめてあげよう』
『叱るを減らし、ほめるを増やす」 その実践のコツ』
『子供のやる気アップに直球勝負はNG?』


*出典: Child Development (2011) 「Newborn Irritability Moderates the Association Between Infant Attachment Security and Toddler Exploration and Sociability.」より

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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