ミュージカル/ミュージカル・スペシャルインタビュー

女性キャストのみの『CHICAGO』水夏希さんに聞く(4ページ目)

クールでカッコいい系のミュージカルといえば、まず思い浮かぶのが『CHICAGO シカゴ』。これまで日本でも繰り返し上演されてきましたが、今回、宝塚歌劇100周年を記念して、世界初!元トップスターのOGたちによる、女性キャストだけの『CHICAGO』が誕生します。ヴェルマ・ケリーを演じる元雪組トップスター水夏希さんに話を伺いました。

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド

 

料理される素材として、魅力的でありたい


——超シンプルでミニマムな世界。

そう。「Less is more」とも言われました。海外での稽古話ですが、「ALL THAT JAZZ」の冒頭で「Come on Baby!」という歌詞があって、「Come on」をもっと小さく動いてくれと演出が指示したらしいんです。もっと小さく、もっと小さくと言われ続け、そのヴェルマの役者さんはまったく動かなくなった。そうしたらOKが出たらしいです。それでいいんだ、と。核の部分をちゃんと掴めればOKなんでしょうね。非常に難しい作業ですけど、それができたらはまるだろうな…。

——公演に向けて、特別なトレーニングはしていますか?

特にしていませんが、歌と踊りがかなりハードなので、基礎体力をあげるための筋トレはしています。筋トレは大好き。ほぼ毎日、30分ぐらいストレッチポールを使ってやっています。パーッと汗かいて、気持ちいいですよ。しんどいですけどね。

——将来、やりたい作品は?
ブロードウェイミュージカルをやりたいですね。これまで『屋根の上のバイオリン弾き』しか経験がないので。普遍的なエンタメに参加してみたいです。MGMの時代の古き良きミュージカルとか大好きです。

——ご自身の公演では演出も手掛けられましたね。
多分、もうやりません(笑)。自分が演出すると、自分の頭の中にあることしか表現できないと実感して、今年は荻田浩一さんに演出していただきました。演出家の方がいらっしゃると、自分の知らない自分、あまり見せない自分、今まで見せてきたけどその中でベストな自分…などなどを引き出してくださる。役者冥利につきますね。
作ることが好きな方、作りつつ自分も演じる方、いろんな方がいると思います。私の場合、自分は料理される素材として、いろんなものを身に付け魅力的でありたい。それをどなたかに料理していただくのがすごく楽しいんです。人間の脳は本来持っている能力の10%までしか使っていないっていうじゃないですか。だから、まだまだ自分には可能性があると信じたいです。

——最後に、読者の方にメッセージを。
今回の『CHICAGO』は世界初の女性キャストのみ。本来、女性だけの上演なんてありえないところを、ブロードウェイの方々がチャレンジすることがウェルカムと認めてくださり、宝塚の100年という歴史が後押しして実現できる。それって実に素晴らしいことだと実感しています。そのチャレンジに参加できる奇跡。オン・ブロードウェイの作品に真正面から挑む私たちの姿を、ぜひご覧ください。

【公演情報】
ブロードウェイミュージカル『シカゴ』
宝塚歌劇100周年記念OGバージョン
東京 2014年11月1日~9日 東京国際フォーラム ホールC
大阪 2014年11月19日~30日 梅田芸術劇場 メインホール
愛知 2014年12月4日~7日 刈谷市総合文化センター 大ホール
東京凱旋 2014年12月10日~19日 東京国際フォーラム ホールC

宣伝写真

会見場には等身大のパネルが。




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