ミュージカル/ミュージカル・スペシャルインタビュー

女性キャストのみの『CHICAGO』水夏希さんに聞く(3ページ目)

クールでカッコいい系のミュージカルといえば、まず思い浮かぶのが『CHICAGO シカゴ』。これまで日本でも繰り返し上演されてきましたが、今回、宝塚歌劇100周年を記念して、世界初!元トップスターのOGたちによる、女性キャストだけの『CHICAGO』が誕生します。ヴェルマ・ケリーを演じる元雪組トップスター水夏希さんに話を伺いました。

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド

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3通りすべて観たくなる、トリプルキャスト!

人間そのものを表現する、ヴェルマの超シンプルな衣裳


——以前、宝塚では稽古場の入り口に近いところに上級生が座り、男役と女役は別れて座る、という話を伺ったことがあるのですが、この稽古場で宝塚ルールか適用されていることはありますか?

たとえば、「ALL THAT JAZZ」のように全員で集まってのお稽古で、個人が順番にやってみる時は、自然と上級生からになります。え?誰からだろう?と迷う必要がないのはありがたいです。

——会見でもお話しなさる順番が、やはり学年順で上級生からでしたね。
私がトップだった時、何人かでのインタビューや会見があると、自分が喋らないと誰も喋らないから、まず喋る。帰る時も自分が帰らないと誰も帰れない。それは皆が了解していることなので、「じゃ、私帰るね」と先に帰る。自然なことですね。

——水さんは外部公演で宝塚の後輩がアンサンブルの中にいると、気づかれますか?

それはわかりますよ。何となく。やはり舞台に対する礼儀がきっちりしているから。あと、下級生は必ず挨拶に来ると思います。
街中歩いていてもわかりますよ。あ、下級生だ!って。やはり雰囲気が独特でしょ?髪型とか髪の色とか。宝塚を退団したから素晴らしい所をたくさん発見したと同時に、ちょっと面白い~!って客観的に思うこと、たくさんありますよ。在団中は全く気づかなかった!って。

——たとえばどんな?
羽、ちょっと面白くないですか?ゴージャスですごいけど、あの大きな羽、大きすぎでしょ!!って(笑)。

——えーっ?! 水さん、背負っていらっしゃったじゃないですか!

当時は、羽、あたり前でしょ(おすまし顔)だったけど。衣裳やセットの色合いも、今はおー!って思うけど、あれが宝塚マジックなんですよね。ほんと独特。
それに比べて、『CHICAGO』は超シンプルで白と黒のモノトーンの世界。ヴェルマの衣裳合わせをしたら、レオタード?これ稽古着?みたいな。これまた、えーっ?!って驚きました(笑)。

——あのシンプルな衣裳は着こなせる方が限られますよね。
あの衣裳は、すべてを曝け出して、何の飾りも守るものもないところで、人間そのものを出してほしいという意味らしいです。きっと私自身ぼろぼろになりながら、それでも人間を表現できるって、最高に素晴らしいことだと思います。
自分を曝け出すって、今までもやってきましたけど、でも本当の自分を全部出し切れていたかどうか。本気でそれができたら世界が変わるでしょうし、役者としてのステージもあがるはず。とても楽しみです。
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