全国的に空き家数の増加が大きな社会問題となり、これからさらに深刻化していくことが懸念されています。単に空き家というだけにとどまらず、その老朽化が進んで廃墟のようになっていれば、周辺への影響も大きいでしょう。
総務省が5年ごとに実施している「住宅・土地統計調査」(平成25年速報集計)によれば、平成25年10月時点の空き家数は全国で約820万戸にのぼり、住宅総数6,063万戸に対して13.5%と過去最高になりました。
このうちどれくらいが老朽家屋なのかは分かりませんが、居住中の住宅を対象とした別の集計では、木造(耐火木造を除く)一戸建て住宅のうち昭和25年以前の建築は10%にのぼっています(不詳:約6%を除く)。また、木造一戸建て住宅の空き家のうち、39%に「腐朽・破損あり」(平成20年調査)というデータもあります。
築年数が古くてもリノベーションなどで再生できる空き家はありますが、何ら手入れや管理がされないままで放置された空き家はどんどんと老朽化が進み、さまざまな問題を引き起こします。居住者がいなくなって廃墟化したマンションやアパートの場合も同様でしょう。
老朽化した空き家は地震による倒壊、強風による瓦やトタンの飛散、放火などによる火災、衛生面や周辺環境への影響なども懸念されますが、とくに害虫などが繁殖すれば厄介なことになりかねません。
また、最近では東京都心部の空き家でも、ハクビシンが住みついて騒音や悪臭などの被害が出るケースが増えつつあるとか。郊外の空き家ではアライグマが住みつく例もあるようです。
購入を検討する住宅の隣に老朽化した空き家があるとき、その所有者を調べるとともに「連絡がとれるのかどうか」を確認することが欠かせません。さらに、「その空き家をどうするつもりなのか」といった意向を確かめておくことも大切です。
一戸建て住宅を購入する際には、仲介業者が隣地の所有者を調べて説明してくれることも多いでしょうが、たいていは「登記上の名義人」を調べるだけにとどまるため、真の所有者かどうかは分かりません。「相手に連絡がとれるかどうか」は買主から頼まなければ調べてくれないこともあるでしょう。
老朽化した空き家の所有者がはっきりしないのであれば、そのままいつまでも放置される可能性が高く、状況は年を追うごとに悪くなる一方です。空き家対策に取り組む自治体も増えていますが、所有者と連絡がとれない空き家は、自治体も有効な対策を講じることができないのです。
購入を検討する住宅の隣にある老朽空き家の所有者と連絡がとれる状態で、リノベーションや解体、売却などの予定があれば、それに期待することもできるでしょう。しかし、そうでない場合には購入の判断を慎重にすることが欠かせません。
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