VW(フォルクスワーゲン)/その他のフォルクスワーゲン車

VWの電気自動車 e-up!とe-GOLFが日本発売(2ページ目)

フォルクスワーゲンが2015年から2台のEVを日本でも発売することになった。日本には世界で一番売れている日産リーフ、そして市販EVの先駆けであるi-MiEVがあるが、フォルクスワーゲンのe-up!とe-GOLFの発売でどうなる? 試乗したe-up!の走りの印象も含めてご紹介したい。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

e-up!の航続可能距離は185km

e-up!

メータークラスターが専用デザインになり、3モードからなる「ドライビングプロファイル機能」用のスイッチが追加されている

走り出す前に気になるのが、e-up!のスペックだろう。一充電あたりの走行距離はJC08モード燃費で185km。充電は普通充電(200V)に加えて、日本の急速充電規格である「CHAdeMO(チャデモ)」に対応。200Vの普通充電は約8時間、急速充電は約30分で80%までの充電が可能になるそう。

なお、日産リーフのJC08モードは228kmなのでe-up!の方が43km短い。e-up!はそのボディサイズやコンセプトからも近距離向けのシティコミュータ的存在であり、より長い距離なら215kmのe-GOLFが控えているというわけだ。

EV専用車ではないが、細部には専用デザインや装備が用意されている。e-up!、e-GOLFともにエアロダイナミクスに配慮した専用デザインの前後バンパー、アルミホイールを採用。さらに、フロントバンパーの両サイドに配置されたアルファベットの「C」をイメージさせるLEDランプがEVらしい先進性を演出している。

バッテリーはリチウムイオンで、メーカーは公表していないようだが、家庭用の充電器ボックス「ELSEEV cabi3」がパナソニック製で、バッテリーセルも日本製とのことなので、以前からの流れも考えると市販モデルも同社製になると考えるのが自然だろう。なお、バッテリーは8年/16万km保証となっている。

3つの走行モードを用意

e-up!

Normal、ECO、ECOプラスの中から状況に応じて走行モードが選べる。アクセルを踏んでいくと、NormalとECOプラスの差はとくに大きく感じる。もちろん空調が制限されるなど制御がされる

インテリアではVWのEV車に与えられるブルーのアクセントに加えて、エンジン回転計が廃されてパワーインジケーターとなる専用メータークラスターのほか、「Normal」、「ECO」、「ECO +」からなる3つのドライブモード用スイッチも配置。

EVらしいのは回生ブレーキを選べる点で、Dモードのままだと回生なしで減速は最小限となる。街中のちょい乗りでも、Dレンジでアクセルペダルを離してもスーッと空走する感覚が確認できた。

エネルギー回生とエンジンブレーキが欲しい場合は、シフトレバーを「D1」から最大化される「B」まで4段階あり、「D1~D」はシフトレバーを左右に動かし、「B」にはDからさらにシフトレバーを下に下げる必要がある。操作性は正直慣れが必要だし、容易に操作するにはパドルシフトが欲しいところだ。

走行距離や最高速度は各モードにより異なり、e-up!の場合は「Normal」で最高速が上限の130km/h、60kWの最高出力/210Nmの最大トルクも最大限発揮される。なお、「ECO」にすると最高速は120km/h、最高出力50kW/最大トルク167Nmになり、「ECO +」にするとそれぞれ90km/h、40kW/133Nmと大きく下がる。

街乗りでは、「Normal」でガバッと踏み込むとあっという間に前走車に追いついたり、赤信号に引っかかったりするような快足といえる加速フィールで、いかにもEVらしく発進時から即トルクが立ち上がり、スムーズに変速していく。これなら流れの速い郊外路や法定速度内なら高速道路でもパワー不足を感じるシーンは少ないだろう。

街中では「ECO」でも十分な印象で、流れの悪い通りや狭い住宅街、渋滞時などは「ECO +」も十分に役割を務めてくれそうだ。

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