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スタイリッシュサルーン、BMW4シリーズ グランクーぺ(2ページ目)

数多くのグレードを用意するBMW3&4シリーズに登場した、スタイリッシュな4ドアクーぺ。その絶妙なセッティング、ニクい演出で、GTカーとしてはクラス最上の選択に仕上がっています。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

クーぺよりコンフォート、セダンよりスポーティ

BMW4シリーズグランクーぺ

420iと428iには2リッターターボを搭載、420iは180ps/270Nm、428iは245ps/350Nmとなる。435iには306ps/400Nmの3リッターターボを積んだ。どちらも8ATを組み合わせる

試乗したのは428iラグジュアリーと435iMスポーツだ。

筆者の試乗前の予想は、乗り味は2ドアクーペと変わらないはず、だったけれども、結果はもっとシンプルで、2ドア以上3シリーズ4ドア以下、という絶妙なセッティングであった。

ラグジュアリーはもちろん、Mスポーツであっても、2ドアクーペより全体的にコンフォートさを強調したライドフィールだったことが、まずひとつ。2ドアモデルほどアシ回りの反応にダイレクトさやシャープさはないけれども、3シリーズよりはハッキリとスポーティというニクい演出だ。

ただ、低速域で妙にバタバタしていたことが、気になった。クーペベースの4ドア化というボディ構造の違いと、車重で60kg程度重く、重心高がわずかに高いことも影響しているのかもしれない。

そして、何といっても、中高速域にはおいては、上級モデルにも匹敵するクルーザーっぷりを見せてくれたことが、4GCの魅力として強く残っている。速度を上げれば上げるほど低速で感じたバタつきは収束してゆき、次第に2ドアと同様の一体感が生まれはじめる。しかも、動作のひとつひとつに心地よい質感が伴っているという念の入りようで、GTカーとしてはクラス最上の選択だ。
BMW4シリーズグランクーぺ

緊急時には自動でブレーキをかける前車接近警告機能や、車線逸脱警告システムなどを備えたドライビング・アシストを採用

パフォーマンス的には、428iで十分というのが率直な印象で、トルク性能と車体クラスがよくバランスされている。435iは確かに速いが、4GCのキャラにはトゥマッチだと思われた。

もともと、3シリーズセダンと4シリーズ2ドアクーペでは、ホイールベースも変わらなかった。つまり、2ドアモデルでも、乗り降りの不便さえ我慢すれば4シーターとして立派に活用できた。4GCでは、クーペのスタイルをほぼ保ちつつ、利便性を上げて、さらに後席の居心地をアップした。成人前の子供がいるくらいの家族構成であるならば、十分使えるはず。
BMW4シリーズグランクーぺ

走行特性を変更できるドライビング・パフォーマンス・コントロールには、コースティング機能が備わったECO PROモードを採用。アイドリングストップ機構も備わった

ここまでくると、こんどは逆に、セダンが売れなくなってしまうのでは? と、心配になってくる。いっそ、GCベースのシューティングブレークも追加してもらえませんかね? できれば、そのM版も。

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