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日本据え置きハード市場の現状とテレビゲームの崩壊(2ページ目)

ファミコンの時代初めて「テレビゲーム」というものに触れたその衝撃はすさまじいものでした。しかしその、テレビゲームが、その姿を保てなくなりつつあります。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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軌道に乗るとしても、相当の時間がかかりそう PS4

PS4の図

話題作が揃ってくるのには、まだ時間がかかりそうです

まだ1度も年末商戦を迎えていないPS4は2014年2月末に日本発売で、約7か月ほどが経過し、現在約70万台。前世代機のPS3は累計で約1,000万代を発売、70万台に到達したのは発売約4か月後ということで、PS4はPS3よりも遅いペースとなっています。

発売時期の関係で年末商戦を逃していることを考えれば、PS3よりも遅いペースなのは仕方がないとも言えますが、PS3自体、発売直後は高い価格設定や商品供給の遅れで非常に苦戦したハードです。そのPS3をさらに下回るペースというのは、決していい状態ではありません。

SCEは2014年9月1日に「SCEJA Press Conference 2014」を開催、PS4は「みんなのGOLF」シリーズ最新作や、「バイオハザードリベレーションズ2」、「龍が如く0 誓いの場所」など、大作を発表しましたが、2014年の年末商戦に間に合うものが非常に少ないのが残念なところです。

また、PS3とのマルチタイトルが多いというのも、難しいところです。約70万台という普及台数を考えれば、前世代機とマルチにしてリスクを減らすのは当然の戦略ですし、PS3という保険があるからこそタイトルが揃う、という側面もあります。PS3のおかげでタイトルが揃うものの、PS3が足かせになって普及が進まないというのがPS4の難しいところでしょう。

タイトルが揃ってきて、なおかつマルチでもPS3よりPS4の方が売れるようになって、そしてPS4専用の大作が出てくる、という流れを考えると、PS4が軌道に乗るにしてもまだ相当の時間がかかりそうです。

絶望的なスタート Xbox One

Xbox Oneの図

あまりにスタートの規模が小さく、最初から非常に厳しい状況です

さあ、最後は発売から約1か月ほどしかたっていないXbox Oneですが、発売初週の販売台数は約2万台、1か月近くが経とうとしている現在、約3万台ということで、端的に言って売れていません。前世代機に当たるXbox 360は約160万台で、初週が約6万台。それよりもさらに下回る出だしということで、発売直後ではありますが、巻き返すのは非常に厳しい状況です。

Xbox 360は発売直後こそ、ファイナルファンタジーシリーズの生みの親、坂口博信氏が手掛ける「ブルードラゴン」や、当時Xbox 360独占だった「テイルズ オブ ヴェスペリア」「スターオーシャン4」など、苦戦しつつも話題を作っていました。

しかし後半、独占タイトルのいくつかはPS4でも発売、モーションコントローラーの「Kinect」が発売されるとファミリー向けの展開をするもこれがマッチせず、徐々に勢いを失い、2013年以降は週に数百台という形でほとんど動いていませんでした。

プラットフォームホルダーであるマイクロソフトは質の高いタイトルをいくつも開発してはいますが、いずれも日本市場において大きな影響力を持たず、また、発売直後とはいえ普及台数約3万台のハードにサードパーティが積極的な投資をするとは考えにくく、Xbox Oneの日本市場における普及は極めて厳しいと言わざるを得ません。

さて、3ハードの数字を見てきましたが、いずれのハードからも、日本の据え置き市場の非常に厳しい現実が浮かび上がってきます。
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