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日本据え置きハード市場の現状とテレビゲームの崩壊(3ページ目)

ファミコンの時代初めて「テレビゲーム」というものに触れたその衝撃はすさまじいものでした。しかしその、テレビゲームが、その姿を保てなくなりつつあります。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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崩壊するテレビゲーム

据え置きゲームハードの図

据え置きゲームハードというプラットフォームそのものが、難しくなりつつあります(イラスト 橋本モチチ)

これまでのゲーム業界では、あるハードが大きく売れて市場を掌握すると、そこにゲームタイトルが集まり、ゲームタイトルが集まることでユーザーが集まる、という好循環を目指してプラットフォームが運営されてきました。

しかし、ここまでお話してきた通り、最も売れているWii Uですら、好循環を生むほどの市場を獲得することはできていません。PS4はまだ1年経っていませんから、ソフトが集まってくれば状況が改善していくのではないかという期待はありますが、それにしても、相当の時間がかかるでしょう。また、状況が改善したとして、PS3以上の規模になっていくかは非常に怪しいものがあります。Xbox Oneに至っては、現時点でも極めて厳しいと言わざるを得ません。

性能の高い据え置きゲームハードの開発費は高騰を極め、しかしながら市場は縮小しているというミスマッチの中で、日本の据え置きハード市場はビジネスモデルが通用しなくなってきています。スマートフォンのゲームが流行っているからというような理由づけをするメディアも多いのですが、それよりも根本的に、日本における据え置きハードというプラットフォームのビジネスが、難しいところに来ている印象があります。

一方で、次の時代のゲームの形も生まれつつあります。もちろんそこには、スマートフォンのゲームも含まれるでしょう。クラウド上で処理することでハードの制約を受けずにコンテンツを供給できる「クラウドゲーム」の流れも、これまでの枠組みを壊していく流れのように思えます。独立系、小規模のゲームプロジェクトを指す「インディゲーム」が世界的に盛り上がってきているのも見逃せません。

テレビゲームで育って来た世代としては、なんとも寂しいものがあります。テレビゲームを最後まで応援したいという気持ちがありますし、まだまだ面白いゲームが残っていることを伝えたくもあります。それでも、免れない時代の流れが来ているように感じます。

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【関連サイト】
田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)


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