家族とは重く愛しい存在であると語りかける2本
『ファミリー・ツリー』(2011年度作品)オアフ島に住む弁護士のマット(ジョージ・クルーニー)の妻が事故で昏睡状態に。しかし、その妻がなんと浮気をしていたことが発覚。ほか反抗期の二人の娘との関係、土地の相続問題など、マットは同時にいくつかの問題を抱えてしまう。
けっこうシビアな問題を扱いながらも、アレクサンダー・ペイン監督の演出はカラリとしており、やっかいなトラブルもユーモアを交えて見せていく。不幸な出来事って巧い監督の手にかかると笑いにも転じますからね。でも厳しさも胸にツンと来て、真実が見えてくるのです。
浮気の真実を妻に問いただしたくても昏睡状態でどうしようもない、娘が連れてきた彼氏がチャラくて気に入らないけど、その彼氏と娘と浮気相手を確かめようと珍道中するマット。仕事人間で身近な人たちのことがまったくわかっていなかった男が変わりゆく様をジョージ・クルーニーが軽やかに見せています。最後は泣ける!誰もが経験するであろう家族との別れに号泣です。
監督:アレクサンダー・ペイン 出演:ジョージ・クルーニー、シェイリーン・ウッドリー、アマラ・ミラー、ニック・クラウス、ボー・ブリッジス、ロバート・フォスターほか
『ギルバート・グレイプ』(1993年度作品)
小さな田舎町で暮らすグレイプ一家。長男のギルバート(ジョニー・デップ)は過食症で引きこもりの母と知的障害の弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)の面倒を姉妹とみるため家を出ることができない日々。そんなときベッキー(ジュリエット・ルイス)という女性と出会う……。
ギルバートみたいな長男、世界中にたくさんいるはず。家族を背負って生きている若者。自立したいけど家族を捨てられないという息苦しさ。そんな日々の中、恋が清涼剤になってくれたりして。ベッキーとギルバートの恋愛は、彼の苦しさを緩和し、救いになっているのです。好き勝手に行動する弟のアーニーは目を離せない存在だけど、愛嬌があり憎めないのはディカプリオの名演あってこそ。アーニーは赤ちゃんみたい、まるで天使!
『ギルバート・グレイプ』は、リアルさとおとぎ話みたいなやさしさが絶妙で、ホロリと来ちゃうんですよね。
監督:ラッセ・ハルストレム 出演:ジョニー・デップ、ジュリエット・ルイス、メアリー・スティーンバージェン、レオナルド・ディカプリオほか
>お次は、キャメロン・ディアスとラッセル・クロウが母の愛、父の愛を熱演する映画が登場!