我妻さんにとって、壺中天で作品を発表する醍醐味とは?
踊る側にしても、大きいステージだったら気にならないことも、ここだと ちょっとしたことで踊りの空気を乱すことがある。
それは後輩の子たちに
2006年『天体のズー』 ph松田純一
壺中天という場所の空気を運ぶ感覚、近くにいるのに手で掴めないひとに見えるような訓練、それをわかりやすく形としてできるのは非常に魅力です。シアター級になると大振りをしないと伝わらないことも、壺中天はむしろ繊細にやるとすごくビビッドにきいてくる。そこは私がすごく好きなところですね。
大駱駝艦の一員になり15年。長く続けてきた理由、今なお感じる魅力とは?
自分の身体も年数と共に変わってきて、変わっていくからこそ続けてて飽きることがない。呼吸を深くするとか、緊張して息がつまったりする、といった身体の状態を探ること。自分の身体と対話すること、身体に耳をすませてる感覚が面白いですね。自分の範疇からとび出している感じがするし、そこが踊ってて魅力だなって感じます。
2006年『天体のズー』
ph松田純一
今回の作品に関して言えば、女ばかりでやるのって、面倒くさかったり気を遣ったりするかもしれないし、最初はちょっとイヤだなって思ってたところがあったんです。でも、今はそれがない。そういう風になれたのは、やっぱり自分もその中から一歩引けた部分があると思う。気を遣ったりという表面的な体裁を一回なくして、そのひとの知らなかった部分ともっと出会いたい。そこで出会うことができたら宝だし、自分の中の発見だなって思っています。
壺中天にて