進まない「区域指定」

わが国の土砂災害危険箇所約52万5千箇所にも

わが国の土砂災害危険箇所は、約67万箇所にも

現在、全国の土砂災害警戒区域は、約66万6000区域(2017年3月末時点の推計値)ですが、予算不足や住民説明に時間を要するなどの理由で、基礎調査の実施は約53万2000区域にとどまり、都道府県により大きな差があります。全国の基礎調査が完了するのは、2019年度の予定です。そのうち警戒区域に指定されているのは、約49万9000区域、特別警戒区域は約34万3000区域ですが、資産価値の低下など指定に対する住民の反対等があるなどの理由から、こちらも都道府県ごとに大きな差が生じています。

警戒区域・特別警戒区域の指定が完了しているのは青森県、山梨県、福岡県などの13府県のみ、警戒区域の指定が完了しているのは島根県、鳥取県、奈良県の3県にすぎません。土地の多くが山地で危険箇所が多ければ、調査や指定に時間がかかることもあるようです。

広島県には4万9500区域の土砂災害警戒区域がありますが、警戒区域及び特別警戒区域に指定されているのは2万1329区域に過ぎません(広島県砂防)。警戒区域未指定の警戒区域が6割に及んでいるのが現実です。

また、土砂災害警戒区域が指定された市町村で、土砂災害ハザードマップを公表している市町村は約4割と非常に低い水準にとどまっています。
 

火災保険で建物分のローンは完済できる。最悪の事態を想定した準備を

近年のさまざまな災害の発生から、誰であってももはやわが国に住む限り、なんらかの自然災害の影響を免れるのは困難になったと言えるでしょう。こうした厳しいなかでも、将来にわたり安定した安心できる暮らしを続けていくためには、自分がどのような災害のリスクを抱える場所に住んでいるのか、また最悪の事態が生じたとき、住まいに、そして経済的にどのような影響が及ぶのかを考えておくことが欠かせません。

マイホームは個人が自由意思で得る私有財産。ですから被災しても、国費による補償を受けることはできません。自己責任による生活再建が求められるのです。

住宅購入を検討するなら、住もうと思っているところがどのような土地なのか、土地の履歴も含めて調査することも必須でしょう。そこでまずはハザードマップの確認から。ところがハザードマップの認知度は4割に満たないのが現実で、関心度も十分でないのは、残念なだけでなく危険なことです(ミツカン水の文化センター 2014年度「水にかかわる生活意識調査」)。

安全性を十分に考慮してもなお防ぐことができなかった被災時は、火災保険の出番。土砂災害警戒区域であっても、火災保険の契約をすることは可能です。

過大な借入れがあるといった事情がない限り、適切な火災保険があれば、土砂災害で被災しても住宅ローンが残ったり、住まいを再建する費用がないなどの最悪の事態は回避できます。損害を100%カバーするタイプの水災補償があれば、最悪の場合でも住宅建物の再建価格に応じた保険金を受け取ることができます。あわせて家財についても別途火災保険の契約をしておけば、家財を失っても新たな生活用品の調達が可能になります。

こうした経済的準備は、今すぐできることです。近年では、今まで起こらなかったことが次々に起こっているのですから「自分には起こらない」「これまで起こっていないからこれからもない」という楽観は捨て、準備を進めておきましょう。

【関連リンク】
国土交通省 土砂災害から身を守るために知っていただきたいこと
国土交通省 土砂災害防止法の概要 
国土交通省 土砂災害防止法に基づく取り組み 
各都道府県が指定している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域 
全国における土砂大害警戒区域等の指定状況 
ハザードマップポータルサイト 
国土地理院 

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