輸入車/注目の輸入車試乗レポート

大胆な面構えのクロスオーバー、ジープ チェロキー(3ページ目)

2代目が日本でも人気だったアメリカンクロスオーバーSUV・ジープ チェロキーが、6年ぶりに大胆で挑戦的なデザインにモデルチェンジ。フィアットのイタリアンテイストも取り入れ、過去とは手を切ったかのような姿で登場した新型チェロキー。その気になる評価は?

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

大胆なフロントマスクは申し分ないが……

ジープチェロキー

4WDはジープ初となるリアアクスル分離機能を採用。5つのモード(オート、スノー、スポーツ、サンド/マッド、ロック)が選択できるセレクテレインシステムを備える(ロック機能はトレイルホークに採用)

つっつきどころ満載というわけだが、最も力を注いだデザインについても持論を。

ジープやチェロキーという“ビッグネーム”に惑わされることのない、大胆なスタイリングの採用をフィアットは要望したのだろう。できあがった新型チェロキーのルックスは、ジープ伝統の7スリットグリル以外の過去とは一切、手を切ったかのような挑戦的で大胆な姿となっていた。
ジープチェロキー

フロントのライト類は一番上がLEDのクリアランスランプ、中央がヘッドライト、下がフォグランプとなる

これくらい、好みのハッキリと分かるデザインの方が、かえって清々しい。昨今の派手なフロントマスク事情を思い浮かべるに、新型チェロキーくらいの“えぐさ”がなければ、いくら性能がよくても目立ちようがないというもの。新しいモデルが乱立する時代にあって、「何だコレ?」と思わせた方が勝ちである。

はじめて写真でみたとき、筆者も「何じゃ、このツラガマエは!」と驚いたものだ。同時に、好感を持った。嫌いじゃない。否、むしろ、この不敵な顔つきは好みかも、と思ったものだ。コンパクトなサイズ感も、日本で乗ることを考えると都合がいい。愛用のスズキジムニーが手狭に感じられてきた今日この頃、次の愛車の有力候補だと、実物を見るまでは思っていた。

実際、このフロントマスクを目の当たりにすると、なかなかの迫力だ。周囲からの注目度も高い(それが好意的なものかそうでないかは別にして)。けれども、個人的にはひとつ、引っかかることがあった。
ジープチェロキー

エアロダイナミクスも考慮されたデザインに。スキッドプレートなどが装備されSUVらしさも高められている

それは、真横から見たカタチだ。新型チェロキーは、FFベースである。必然的に前のオーバーハングが長くなる。そこに、デザインありきのマスクをムリヤリ取って付けた。結果、オーバーハングとフェンダー、キャビン位置のバランスが悪くなってしまっている。FFベースの場合、衝突安全性を確保しつつ“顔つき”に凝ってしまうと、どうしても横からの見栄えがアンバランスになってしまいがち……。

前から(=ノーズの長さを隠せる範囲内で)見るぶんには申し分ない。けれども、真横のカタチがダメだ。クルマのカタチの良し悪しは真横の眺めで決める、と信じる筆者にとって、これは全く受け入れられないものだった。

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