親の老後・介護の希望について、どんなことを聞く?
パートナーとお互いの親の希望を共有しておこう
子どもの方から、「将来のことが心配だし、しっかり準備したいので、お父さん(お母さん)の考えを聞かせてほしい」と言えば、親の方もきちんと話してくれるのではないかと思います。それでは、どんなことを確認しておけば良いでしょうか。
●今の身の回りの生活状況
将来の話に入る前に、今の生活状況も確認しておきましょう。買い物や食事の支度など家事は、きちんとできているかどうか、普段生活していて困っていることや心配なことはないかを確認します。すぐに解決できることであれば、対策を実行します。
●住まいのこと
住まいに対する希望を聞きます。現在の住まいに住んでいて困っていることはないか、リフォームの必要性など。また、将来も今の住まいに住み続けたいのかなど。
●健康や将来の介護のこと
親の健康状況についても把握しておくと良いでしょう。現在かかっている病気や飲んでいる薬、かかりつけ医などの情報を知っておくと安心です。また、介護については、在宅の介護を希望しているのか、さらには、同居を希望しているのかなど。介護施設に対する考え方なども確認します。
●将来の財産管理のこと
現在の生活状況や将来の住まいのこと、健康状況や介護のことをしっかり聞くと、それら親の希望をかなえるためには、「お金」は必要です。親の方も、話の流れで、現在の手持ちの資産についての情報も安心して明かしてくれると思います。間違って、最初に財産のことを聞くと、親もビックリしてしまいます。
●お墓など祭祀(さいし)に関すること
長く続いている家ほど、祭祀(お寺やお墓など先祖の供養に関すること)は、地域や親せきとの関係もあり複雑です。地域のしきたりや、親族内の決めごとなど、きちんと把握しておきます。特に親の世代は、先祖代々の墓をしっかり継承してほしいという希望を持っている方が多いように思います。親の世代の希望をしっかり聞くことで、安心してもらえるかもしれません。
兄弟姉妹と共有する、お互いの親の希望をパートナーと共有する
親の希望を聞く場合は、自分ひとりで聞くのではなく、兄弟姉妹がいるのであれば、全員で聞き、兄弟姉妹間で共有するのが一番良いです。「私は、母から●●だと聞いた」、「私には、××と言っていた」というようになっては、かえって混乱してしまいます。大切な話だからこそ、親と兄弟姉妹が一堂に会して、将来のことをしっかり決めておくと良いでしょう。親の希望をしっかり聞くことも大切ですし、子どもの世代からは、できること、できないことを親にしっかり伝えることも大切です。また、兄弟姉妹間は、親の将来の生活のサポートについて、役割分担を決めるときは、親の希望や、兄弟姉妹の現在の状況などを理解することで、初めて決めることができるのではないかと思います。親の老後に関しては、夫と妻のそれぞれに同じような問題があります。親と兄弟姉妹との話し合いについて、パートナーに対してきちんと伝えておくことも大切です。
親・兄弟姉妹間、夫婦間でコミュニケーションをしっかり取ることが、親の老後・介護に対する不安を取り除くための第一歩です。お盆・正月など、親族が一堂に会する時期に合わせて、親の将来を考えるための「家族会議」を開いてみてはいかがでしょうか?
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