社会保険

キャリアアップ!「教育訓練給付金」を積極活用しよう

雇用保険制度による「教育訓練給付金」制度が、今年(平成26年10月より)、大幅に拡充され、新規に中長期的なキャリアアップ形成を支援する「専門実践教育訓練」の教育訓練給付金が始まることになりました。また、この給付金を受給できる45歳未満の離職者に、受講中の生活支援のため「教育訓練支援給付金」も創設されます。これら給付金を積極的に活用し、更なる従業員キャリアアップ支援を進めていきましょう。

小岩 和男

執筆者:小岩 和男

労務管理ガイド

本年(平成26年)10月から大幅拡充!「教育訓練給付金」を積極活用しよう

給付金で従業員のキャリアアップを積極的に支援しましょう

給付金で従業員のキャリアアップを積極的に支援しましょう

従業員の能力開発を支援するため、雇用保険制度では、平成10年度から「教育訓練給付金」制度が設けられています。この給付金は一定の条件を満たす在職者・離職者が、厚生労働大臣指定の教育訓練講座の自己負担経費(入学料や受講料等)の一部が給付金として受給される制度です。皆様の企業でも受給された方がおられることでしょう。

この給付金ですが、今年(平成26年10月より)、大幅に拡充され、新規に中長期的なキャリアアップ形成を支援する「専門実践教育訓練」の教育訓練給付金が始まることになりました。また、この給付金を受給できる45歳未満の離職者に、受講中の生活支援のため「教育訓練支援給付金」も創設されます。これらの金銭的支援のメリットを最大限に享受し、更なる従業員キャリアアップ支援を積極的に進めていきましょう。

大幅拡充される「教育訓練給付金」は次の3つ!

平成26年10月からの「教育訓練給付金」は、次の3形態となります。

■引き続き実施
「一般教育訓練」の教育訓練給付金(←現行の教育訓練を名称変更し継続)
教育訓練経費の20%(上限10万円)

■拡 充
「専門実践教育訓練」の教育訓練給付金(←拡充される教育訓練)
教育訓練経費の40%(年間上限32万円)
なお、修了後資格取得等して正社員等に雇用された場合は、教育訓練経費の60%(年間上限48万円)

■創 設
「教育訓練支援給付金」(←新規創設)
2.の給付金を受給できる場合で45歳未満の離職者に失業給付の約半分を支給

「一般教育訓練」の教育訓練給付金とは?

一定の条件を満たす雇用保険の一般被保険者(在職者)または一般被保険者であった者(離職者)が、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を受講し修了した場合、本人が支払った教育訓練経費の20%(上限10万円)をハローワークから支給する制度です。

1.対象者
次の(1)、(2)のいずれかの該当者で、厚生労働大臣指定の一般教育訓練修了者

(1) 雇用保険の一般被保険者
一般教育訓練の受講開始日に、支給要件期間(同一の事業主に一般被保険者または短期雇用特例被保険者として雇用された期間)が3年以上ある者
(2) 雇用保険の一般被保険者であった者
一般被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であり、かつ、支給要件期間が3年以上である者

(1)、(2)とも、当分の間、平成26年10月1日以降初めて教育訓練給付金の支給を受けようとする場合は、支給要件期間が1年以上であれば可能です。また受講開始日の前日から3年前までに教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合は、一般教育訓練給付金は支給されません。ただし、平成26年10月1日よりも前に教育訓練給付金の支給を受けた者に対しては、この取扱いは適用されません。詳細は、ハローワークインターネットサービス-教育訓練給付で確認ください。

2.厚生労働大臣が指定する「一般教育訓練」とは?
情報処理技術者資格、簿記検定、訪問介護員を目指す講座など、働く人の職業能力アップを支援する教育訓練として、厚生労働大臣が指定した講座です。指定講座は、「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座」で確認することができます。

3.支給額
教育訓練経費の20%(上限10万円)。訓練期間にかかわらず、給付回数は1回。なお4,000円を超えない場合は支給されません。

次のページでは「専門実践教育訓練」の教育訓練給付金を解説しています。
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