オートキャンプ/オートキャンプのレクリエーション、楽しみ方

子どもの学力が伸びる!正しい「焚き火」入門(2ページ目)

そろそろ夜の焚き火が楽しいシーズン。じつは今、この「焚き火」が子どもの学力を伸ばすということでにわかに注目されていることをご存知でしょうか。自然の中で起こる様々な出来事に対処することで子どもの判断力や自主性が伸びると言われるキャンプですが、なかでも焚き火は子どもたちにぜひ体験してもらいたいもの。焚き火のハウツーとともに上手な焚き火の楽しみ方を探っていきます

小林 孝延

執筆者:小林 孝延

オートキャンプガイド

正しい焚き火のやり方

さて、この焚き火。子どもにやらせる以前に、まずはお父さん、お母さんができなくては話になりません。そこで子どもと一緒に焚き火をするとき、あたふたしないための、ちょっとしたコツを伝授したいと思います。お父さんが子どもの前で、一生懸命、太い薪にライターで直接火をつけようとしていたなんて、笑うに笑えない話もあるのですから。

<焚き火にあると便利な道具
皮手袋(軍手でもよいが綿100%のものを)、ナタ(扱いやすい小型のものがおすすめ)、ライター(あるいはマッチ)、火ばさみ(トング。100円ショップでも購入可能。しかし、適度な弾力や先端の掴みやすさなど使ってみるとやはり専門店で買ったものに軍配があがる)、消火用の水とバケツ、うちわ、新聞紙(着火のときに使用。多目に持っているとなにかと便利)、着火剤(やはりこれにまさるものはなし。着火が格段に簡単になります)

<薪集めと薪割り
薪はキャンプ場の場合は大概、乾燥した薪が適当な大きさにカットされて売られています(1把200円程度)が、せっかくなのでキャンプ場の周辺から拾ってきましょう。この薪集めも子どもたちにとっては楽しい作業。この木は燃えるのか?大きすぎるか?木をどけたら下から虫が出てきた!などなど発見がいっぱいです。拾ってきた薪は、長い枝は足や手を使ってぽきぽきと折って短くします。枝がたくさん出ているものはナタを使って枝を落とし、太いものはナタを使って細く割ります。

ナタで薪を割るときは、薪の上にナタを乗せ、ナタの重みを利用しながら薪と一緒に地面にコツンと打ちつけるようにして亀裂を入れていくのがコツ(打ちつけるときに薪を持った手は離しておく)。ナタを力まかせに振り回すのは大けがの元!絶対にやめましょう。また薪を持つ手には皮手袋をはめること(ナタを握る利き手はすべるので素手のほうがよいでしょう)。

<薪を組む
細かい枯れ枝や薪を割ってつくった焚きつけ用の細木を円錐状に組んでいきます。このとき、中にくしゃくしゃにまるめた新聞紙を2~3枚分入れておきましょう。あまり密集させすぎず、かといってパラつきすぎないようにほどよく焚きつけを組んでいきます。そして、焚きつけの外側にしっかりと太さのある薪を組めばOK。最初に使う焚き木は乾燥した燃えやすいものが理想的です。

これで準備完了。焚きつけの中にスタンバイした新聞紙に着火します。新聞紙から焚きつけ、そして薪に火が移っていくのを見届けます。焚き付けが燃えてもなかなか太い薪には火がつかない場合が多いので、焚きつけは多目に用意しておいて、どんどんくべていきましょう。いったん大きな薪に火がついてしまえばしめたもので、あとは安定した焚き火が楽しめます。火がうまくつかないからといって、途中でキャンプ用のホワイトガソリンなどを振りかける人が稀にいるようですが、これは非常に危険ですので絶対にしないように!!!

あると便利な焚き火台

特殊耐熱布を使用したたモノラルの焚き火台

特殊耐熱布を使用したたモノラルの焚き火台

最近のキャンプ場は直火禁止のところも多いのでご注意を。また、そうでない河原などでも、焚き火の後、真っ黒くすすけた石を残して帰るのはあまりスマートではありません。そんな場所では専用の焚き火台を使いましょう。金属製のものが一般的ですが最近では耐火性のある布を専用の金属フレームにセットして使う携帯に便利なものもあります。

 
金属製の蒸し器

フリーサイズの蒸し器を焚き火用に流用

じつは僕自身は専用のものではなく、金属製の蒸し器を長年使用しています。鍋のサイズにあわせてアジャストできるフリーサイズのもので確か値段は数百円だったと記憶していますが、これがすこぶる具合がいいのです。特に小さな焚き火には最適。ぜひお試しあれ。

 
<薪は燃やしきる>
河原やキャンプ場などでだれかが焚き火をしたあとの残骸をみるほど不快なものはありません。焚き火にくべた薪はしっかりと燃やしきるのが基本です。ちゃんと燃やせば最後は真っ白に燃え尽きて灰になります。

また、消火には十分な注意を!水をかけただけでは火は消えません。ぜひこちらの記事を参考にしてください。

炭が燃えて白く

しっかりを薪を燃やしきると白い灰になる

キャンプの夜、ゆらめく炎をながめ、薪をくべる。たったそれだけのことなのに、子どもたちはきっと、何時間でも飽きることはないでしょう。そして、普段、扱うことのできない火に触れさせることは、計り知れないほど子どもの感性を豊かにするでしょう。感動することを覚えさせること、美しいものをみせること、これに勝る教育はないのです。

ぜひ、この秋親子で焚き火を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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