今回は、正答率に差がある問題を取り上げ、もうすぐ返ってくる結果とともに、家庭でできる対策について考えてみましょう。
トップは相変わらず秋田、福井
中学校では、国語Aで秋田がトップに、国語B、数学A、数学Bで福井がトップになりました。正答率を見ても、この2県が抜きに出ていることがよくわかります。一方で、不振だったのが沖縄と高知。2014全国学力テスト、中学校では秋田のほか、福井がトップを独占。一方、下位は、沖縄、大阪、高知など。
小学校で、あの県が下克上
しかし、今回の結果では、小学校で異変があったので、小学校の正答率の上位・下位県も見てみましょう。2014全国学力テスト、小学校では秋田がトップを独占。一方、万年最下位だった沖縄がまさかのランク外。
結果は、全科目で秋田がトップ。一方で、下位県を見てみると、なんと沖縄がありません。これはいったいどういうことなのでしょうか。
いろいろ調べてみてわかったのですが、沖縄の小学校では徹底して反復練習、学力テストを想定したテストを実施するなどの対策が功を奏したようです。
さらに、今回の結果からも、それが読みとれる問題を見つけました。
小学校の算数A問題から、「100-20×4」の四則計算の問題の正答率を比較してみると、全国の公立校の平均が80.9%に対して、沖縄は93.6%という非常に高い数字になっています。総合でトップの秋田が92.7%ですから、それをも上回っているのです。
■「100-20×4」の正答率(小学校の算数A問題より)
全国‥‥80.9%
沖縄‥‥93.6%
秋田‥‥92.7%
愛知‥‥73.2%
私立‥‥94.2%
参考までに、私立校は94.2%と秋田や沖縄とほぼ変わらないことからも、沖縄のこの数字は驚異的な追い上げと言えます。
ちなみに、算数Aで下位に甘んじた愛知は73.2%と、私立とは20ポイント以上も離されています。順位だけでなく、問題別に丁寧に見ていくと、学力向上対策の成果だけでなく、今抱えている課題も見えてきます。こうした情報を今後に活かさない手はありません。
以上からわかることは、やはり基本的な問題がいかに大切かということです。それでは、いよいよ中学校の問題について、正答率に大きな開きのあった問題の原因とその対策について考えてみましょう。