DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

30年前の機材を復刻させたRolandのAIRAとは(3ページ目)

2014年の電子楽器業界における、最大のトピックといっていいのは、Rolandが出したAIRAシリーズだと思います。よく話題は見るけど、何なのかよく分からないという人のために簡単に解説しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

PLUG-OUTという新コンセプトを打ち出したSYSTEM-1

AIRA

PLUG-OUTというコンセプトを持ったSYSTEM-1

TR-8もTB-3、VT-3もUSB端子を持っており、PCとのMIDI、オーディオのやり取りができるという面で、DTM的な使い方ができるのですが、中でもPCとの親和性が高く、これまでにないユニークなコンセプトを打ち出したのが、SYSTEM-1です。

SYSTEM-1単体としては、ある音源を復刻させたというものではなく、あくまでも単体のアナログシンセサイザ・キーボードという製品です。オシレータを2つ搭載しており、最大4音ポリフォニックという音源。構成がシンプルなだけに、はじめてアナログシンセを触るといった人でも、分かりやすく音作りができるのが特徴です。

やはりACBを使って作られているので、デジタル機器ではありながらも、いかにもアナログの太い音が出るのもSYSTEM-1の特徴です。まあ、こうしたアナログ風のデジタルシンセサイザというものは、SYSTEM-1が初というわけではなく、これまでもいろいろなものが存在していました。

AIRA

PC上のソフトシンセとして動作するSH-101

が、ここには、ほかの機材にはない、まったく新しいコンセプト、機能が搭載されています。それがPLUG-OUTというものです。PLUG-INではなく、PLUG-OUTというのが面白いところなのですが、これは「PLUG-INを持ち出す」といったコンセプトのものなのです。

SYSTEM-1ユーザーは、Rolandの名機SH-101を復刻させたソフトシンセ、SH-101が無料でダウンロードできるようになっています。VSTやAudioUnitsで動くソフトシンセなのですが、これが動くPCをUSBケーブルでSYSTEM-1と接続すると、SYSTEM-1へSH-101の機能を転送できるようになっているのです。そして、SYSTEM-1のPLUG-OUTボタンを押してオンにすると、SYSTEM-1がSH-101へと変身するのです。もちろん、PC上で作成した音色をPC上のSH-101へ転送することもできます。

今後、有料になる予定ですが、SH-101以外のPLUG-OUT対応音源がリリースされるようなので、これを使うことで、SYSTEM-1をまた別の音源に変身させることができるわけですね。これからが、いろいろ楽しみな機材です。

【関連記事】
PLUG-OUT対応の新コンセプトシンセ、AIRA SYSTEM-1を触ってみた
SH-101を再現するAIRA SYSTEM-1のPLUG-OUTを使ってみた!

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