ニューヨークで8年連続というミシュランの3つ星
フランス発ニューヨーク経由東京上陸、といった感のあるジョルジュブラン。アルザス出身のシェフは南仏やリヨンの名だたる名店で経験を積み、アジアを経由し、ニューヨークで8年連続というミシュランの3つ星を獲得。料理のポイントはそのアート性とスパイスと使い方の妙にあるという。入れ替わりの激しい六本木ヒルズに乗り込む、気鋭のレストランと言えば言い過ぎだろうか。大理石のカウンター。座る位置により見える風景が大きく変わる。
そのカウンターは魅力的だ。平面的段差と書いたがどこに座っても厨房の動きが手に取るように伝わる。食への欲求を高める仕掛けが、センス良く散りばめられており、カウンター特有の立体的に料理を楽しむことができるだろう。
ワインのセレクションも楽しい。
美しさは食欲を駆り立てる。
レモンゼリーのアミューズは暑い夏の夜に心地良い刺激を運び込む。シャンパーニュはビルカール・サルモン。やや大ぶりのグラスのせいか以前よりふっくらとした味わいにレモンゼリーとキャビアの塩加減がゆっくりと溶け込む。箸も添えられる。
トマトとサマーフルーツ
希少価値の高い飛騨牛にパルメザンを利かせたハバネロエマルジョンも楽しい。マスタードソースにはない驚きがある。シンプルなランプ肉には綺麗に火が通り、添えられたソースはこれまでにない驚きを伴うものだ。
飛騨牛の味わいは見事だった
濃厚な甘さに酔いしれるひととき
それにしてもここのカウンターは楽しい。ソムリエとのやり取りも面白い。シェフもすぐそこにいて、素材の話で盛り上がる。
早い時間の入店だったが、8時を過ぎると混みあってきた。六本木ヒルズも進化し、レストランも次の時代を目指す。変わらない料理は変わらない反面、だれも思いつかなかった料理もどんどんあらわれてくる。調理器具の進化や料理人の技術、それより上位にある日本の素材。
ジャン・ジョルジュのカウンターにはフランス料理の未来と格闘する若きシェフの氣があふれている。記憶に残る料理をどんどん作り出してほしい。少なくとも今日は2皿はあった。過去のしきたりにこだわらず「新しくて美味しいもの」を追及してほしい。
けやき坂の中腹、信号の真ん前だ。
ジャン・ジョルジュ
東京都港区六本木6-12-4
六本木ヒルズけやき坂通り
予約 03-5412-7115
営業時間
ランチ:11:00~15:00 コース4,800円 アラカルトあり
ディナー:17:70~24:00 コース13,000円~ マリアージュワインセットあり
消費税込、サービス料10%別
ワインの種類とバランスは良い。値段はやや高めの設定。
この日のメニューはJGサマーテースティングメニュー8品(18,000円)とマリアージュワインセット(8,000円)