静寂のレムトンビーチの隠れ家リゾート、ジボラ
ピピ島の北端にあるレムトンビーチは、島の玄関口であるトンサイベイから遠く離れ、ボートでしかアプローチできない、いわば隔絶のビーチです。レムトンビーチに到着すると、トンサイベイの賑やかさが遠い昔のような感覚になるほど、静か。島には数軒のリゾートしか、ありません。リゾートのうちの一軒、熱帯の樹木に包まれたジボラは、まるで一昔前のタイの村落のような雰囲気。スモール・ラクシャリー・ホテルズ・オブ・ワールドのメンバーなので、優雅にスローなアイランドライフが満喫できます。
ちなみに、「ジボラ」とは、沖縄などの海辺でも見かけるクサトベラのこと。地元の言葉で”海への愛”という意味があるそうです。
天然の建材を使った、風が通り抜けるヴィラ
52棟のヴィラは、迷路のように小道が走る熱帯の樹木の中に点在しています。自分のヴィラへ帰るのに迷子になってしまうくらい、木々に覆われている感じ。白砂の道のところどころに、ここでウォッチングできる鳥や、このリゾートにまつわるストーリーを紹介する看板が立てられているので、それが道しるべも兼ねているよう。ヴィラはプール付きやロケーション、広さなどで4タイプに分かれます。ヴィラの基本的なレイアウトは、ガラス窓を多用した緑の眺めに癒されるベッドルーム、三角形のクッションを置いた屋根付きのオープンリビング、そしてシャワールームとアウトドアシャワーが横並びになっています。アウトドアシャワーの有無で、標準クラスの「ヴィレッジ・スイート」(40平方メートル)と、「ガーデン・スイート」や「ビーチフロント・スイート」(いずれも60平方メートル)に分かれます。
憧れは、高台に立つ「プールヴィラ・スイート」。ベッドに横たわりながら、あるいはプライベートプールに浸かりながら、アンダマン海に浮かぶモスキート・アイランドやバンブー・アイランドを望めます。
どのヴィラも、チークウッドを使った”オールド・プーケット・スタイル”を採用し、シノ・ポルトギー調のカラフルなガラスのモザイクや、麺屋台で使われる漏斗をランプシェイドなど、小技も満載。
オープンなリビングは、壁がなく、簾が下ろされた板張り床になっています。三角クッションに背を預けて緑のガーデンを眺めていると、風が吹き抜け、どことなく日本家屋の縁側でくつろいでいるような気分に。
小粋な遊び心に会話も弾む、美味しい朝食
レストランはメインの「バジル」とオンザビーチの「タカダ」の2カ所。朝食は「バジル」にて。テーブルにつくと、紙袋に入った揚げパンの”パトンコー”が、はちみつとパンダナスの葉のジャムと一緒にサーブされます。この”パトンコー”は2本が寄り添うような形なのですが、タイ版「ロミオとジュリエット」のストーリーから、二人が一緒にいられるようにという願いが込められているとか。そして、揚げパンの入った紙袋を見ると、ホットディッシュのメニューがプリントされています。「エッグ・ベネディクト」や「チャオ・プラヤ・ブレックファースト」(タイ料理)、「サムライ・ベントー」など、席に着いてからオーダーをするわけです。さらにビュッフェ・メニューも充実し、フルーツ・スタンドや、その場で作るタイのパンケーキのスタンドも。
テラス席と室内席がありますが、おすすめはテラス席。海を眺めながら、美味しい朝ごはんで1日を始められます。
施設は少数先鋭ながら、えりすぐり
島の空気が味わえるこぢんまりとしたリゾートなので、最先端をいくような大掛かりな施設はありません。内陸側にプールと高台にスパ(サウナやスチームルーム、レインシャワーを併設)、そしてブティックとダイビングサービスがあるくらい。けれど、のんびりと静寂のビーチで過ごすならば、ほしい施設は抜かりなく揃っているでしょう。<DATA>
■Zeavola Resort
住所:11 Moo 8 Laem Tong, Koh Phi Phi, Ao Nang, Krabi 81000, Thailand
TEL:+66-7562-7000
料金:8300バーツ~
日本からの連絡先 スモール・ラクシャリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド TEL:006 633 813 074