ル・プチメックならではのベーグルとドーナツ
売場の様子
ル・プチメックファンのお客さんに「余計なことやらなかったらよかったのに」とがっかりされないように、決めた以上は徹底的に納得するまで試作を繰り返し、準備期間のほとんどはベースとなる生地づくりにかけたといいます。最終的に日本製粉の「ブリリアント」という小麦粉との出合いもありました。「これで劇的によくなりました」という、粒子が粗めで吸水率の高いその粉は、ベーグルにもドーナツにも活用されています。
ル・プチメックならではのベーグル
ベーグルは湯種製法の生地にケトリング(茹で)の工程のかわりにスチームをかけてつくられています。「アメリカにもいろいろなタイプのベーグルがあり、正しいとか間違いの物差しってないと思うんですね。ぼくがやったらこういうふうになったというベストを出しています」。
歯切れよく、もちっとして伸びながらほどけていく生地は顎を疲れさせず、小麦粉の旨味を感じさせてくれます。比較的小ぶりながら、乾燥による劣化は遅いようで、軽く火を通せば翌日、翌々日でもおいしく食べられました。
NYのベーグル屋さんでは数種類のスパイスをトッピングした「エヴリシング」というベーグルを見かけますが、ル・プチメックではひまわりの種やフラックスシード、押麦など数種類の雑穀をちりばめた「セレアル」(226円)。これが香ばしくてやみつきになる味わいです。玉ねぎとベーコン入りの「リヨネーズ」(226円)はル・プチメックの既存のパンをベーグルにアレンジしたもの。奇抜なことをしているわけではないのだけれど新鮮。オリジナリティ溢れるセンスが光ります。
フレンチのお総菜を挟んだベーグルも
トッピングの食感も愉しめる
ドーナツは軽やかな食感です。フランボワーズ、カシス、マンゴーなど、その艶やかな色彩のグレーズ(砂糖衣)はフランス産のフルーツのピュレを使った自家製で、その香りがナチュラルであることにも違いが体感できました。これは心身ともに心地よく感じる重要なポイントだと思います。トッピングのクリスピーな食感も楽しいドーナツでした。