人に値段がつくのか、椅子に値段がつくのか?
人に値段がつく時代から椅子に値段がつく時代へ移行しています
一方、「職務給」とは、職務の大きさ(職務の内容や責任と権限の大きさなど)で処遇を決める方法です。よって、勤続年数やバックボーンはほとんど関係なく、その成果によって次年度以降の処遇が決められます。プロの世界に近いと言えましょう。
身近な例として、コンビニエンスストアの店員の時給は1000円程度です。10代の学生だろうが60代の定年退職者だろうが、男女を問わず、会社の業績に関係なく、或る地域で接客と会計をする仕事に対し、相場が確立しているわけです。
欧米の先進国のように、職務給が浸透している国々では、ポジション、つまり椅子の値段は標準化されており、この業界でこの職種でこの地位であれば相場はこの年収~この年収の範囲内という標準が存在します。その意味では職務内容と相場がオープン化されているので転職しやすくなっています。
グローバル化している今日、否が応でもこの方向に移行していくので、成長期のような会社が能力を高める諸々の教育研修制度に依存するのではなく、これからは個人が自己責任で自分という「商品力」を高め、キャリアを開発していくことが必須となるでしょう。
実は外資系に勤務されている日本人はこのマインドセット(思考様式)を持っています。なぜなら、外資系企業は人よりも戦略を第一に考えているから、事業の撤退や統合が日常茶飯事なのです。このような環境に身を置く人はおのずと自分を守るのは自分しかいないというマインドセットが形成されるのです。