学童保育の費用は、いくら?
学童保育で放課後は宿題を
公営の学童保育は、市町村等によって運営され、そのサービス内容は各自治体によって異なりますが、対象者を小学校1年生から3年生までに限定しているところが多いです。利用時間は、下校時から17時までが通常保育の時間帯で、19時まで預けられるところもあります。保育内容としては、集団での遊びのほか、各自学習したり読書したりと、基本的には自由行動です。きまった時間におやつも出ます。利用料は、所得によって区分していることが多いのですが、おおむね1万円以内に収まります。夏休みなど、学校の授業がない時も、運営されていて、この期間中のみの利用も可能な自治体もあります。詳しくは、各自治体で確認してください。
民間の学童保育は、民間企業・NPOなどが運営しています。公的な学童保育で求められる就労証明書などが必要なく、柔軟に利用することができます。サービスも多様化していて、夜遅くまでの預かりや夕食を提供する以外にも、塾や習い事への送り迎えをするサービスや、施設内でピアノや英語などの習い事を受けられる施設もあります。行政からの補助が受けられないことが多いため、利用料金が公営の学童保育に比べると高くなり、月額利用料も3万円~6万円前後となっています。
また、最近では、共働き家庭のニーズに対応するために、私立小学校では、アフタスクール(放課後学校)のサービスを充実させている学校も増えています。私立小学校を選択する場合、このような視点も入れると良いかもしれません。
「小1の壁」、費用の負担も大きいが、預け先は不足している
共働きを続ける場合、出産・子育てで第一の関門となるのが、保育園の問題です。各自治体は、待機児童ゼロを目指し、保育園の整備に力を入れています。企業側も、育児休職後、小学校に就学するまでの間は、育児短時間勤務制度を導入し、以前に比べれば、その制度を利用しやすい環境も整ってきています。ところが、子どもが小学校に入学する時期になると、大部分の企業では、育児短時間勤務の制度も使えなくなり、小学校低学年を預ける施設としての学童保育も、まだまだ十分整備されていないのが現状です。
「2014年 学童保育の実施状況調査結果」(全国学童保育連絡協議会)によると、学童保育数は2万2096か所、入所児童数は93万3535人とのことです。
同協議会は、本来は希望しながらも親が申請を諦めるなどした潜在的な待機児童は40万人を超えると推計しています。また、国が指針としている1施設当たりの上限定員数70名を超える、大規模施設で生活している児童も全体の4分の1を超えているため、質的な改善も求められています。今年6月に公表された、アベノミクス3本目の矢「日本再興戦略」改定2014においても、女性のさらなる活躍促進のための環境整備として、「学童保育の拡充」が掲げられています。今後、小学校の子どもを持つ家庭の子育て環境の整備が進むことに期待したいです。
※「2014年 学童保育の実施状況調査結果」(全国学童保育連絡協議会)よりガイド平野が作成
共働きの場合、学童保育費用も子供の教育費に
ファイナンシャル・プランナーとして、相談にいらっしゃる方のライフプランとマネープランをお作りすると、子どもの教育費・子育て費用が、予想以上に多くなったと感想を述べられる人が多いです。特に共働きを続ける場合、小学校就学までの期間の保育費用は想定の範囲内ですが、小学校低学年の間の学童費用などは考えていなかったというのです。サービス品質や利便性を考えると民間の学童保育を希望される人も多く、その場合は、年間60万円(月額5万円)くらいの費用を見積もっておく必要があります。教育費に関する統計データは、いろいろありますが、学年別の教育費などの統計データの平均値だけ見積もっていたのでは、不十分な場合があるので注意が必要です。
今回、コラムを書くにあたり、各自治体の学童保育の情報や、民間の学童保育のホームページ等、インターネットなどを通じて調べてみましたが、例えば、具体的なサービス内容であるとか、どんな雰囲気で運営されているのかなど、まだまだ情報が不足していると感じました。実際に施設を見学したりするなど、利用を希望される場合は、早めに情報収集をすると同時に、その費用をマネープランに盛り込んでおくと安心ですね。
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