持ち駒に潜む共通点
チェスと将棋は共通点も多い。だが決定的に違うのは、チェスにはない「持ち駒制」を将棋が採用しているという点だ。相手の駒を取ればこちらの味方に、逆の場合は味方さえ敵に変身してしまうのが将棋独特の世界観なのだ。これこそ「進撃の巨人」の世界観と一致している。兵団の一員や村人が巨人になったり、逆に巨人が兵団員になったりというストーリー展開が随所に見られ、読者に謎解きの興味を引き起こしている。ここにも将棋が潜んでいたのだ。
その他に潜む共通点
たとえば、巨人には「うなじ」という弱点がある。これは、最強駒の飛車や角に、それぞれ、「こびん」「頭」という弱点が用意されていることに通じている。「うなじ」「こびん」「頭」……、言葉的にも共通性を感じないだろうか?たとえば、囲いの壁。「進撃の巨人」では「マリア」、「ローゼ」、「シーナ」という3つの壁が建設されている。ここで一つ将棋格言を紹介しよう。「王の囲いは金銀3枚」である。そう、将棋でも囲いは3つの駒で行うのだ。そして、守りの駒達を「壁」と呼ぶことがある。将棋では壁のために自分の駒が動けなくなってしまうケースがよくあるが、進撃の巨人にもそういうシーンが出てきた。
2014年8月6日、証明される
以上、「進撃の巨人に潜む将棋」というテーマで記事を書いてきた。なんだか「こじつけ」っぽいじゃないか。そういうご批判も覚悟の上である。だが、もう一度書く。「進撃の巨人」には将棋が潜み、作者の諫山は将棋が好きである。ガイドはそう確信している。そして、すでに述べたように、2014年8月6日、ガイドの考えが正しかったかどうかが証明されるのである。その日、諫山原作の新しい作品が週刊少年マガジンで発表される。作画は諫山が最も影響を受けたという漫画家・皆川亮二が担当する。皆川は「スプリガン」や「ARMS」というアクション漫画の第一人者である。「進撃の巨人」ももちろんアクションシーン満載の漫画である。その二人がタッグを組んで送り出す漫画のタイトルは「the Killing Pawn(ザ キリング ポーン)」。日本語なら「まさしく詰める歩兵」と言ったところだろうか(訳が下手でごめんなさい)。
もちろん将棋漫画である。アクションの巨匠二人が描く将棋漫画。まるでジャッキー・チェンとブルース・リーが刑事コロンボを演じるようなものではないか。非常に楽しみである。そして、「進撃の巨人」に将棋が潜んでいたかどうか、この作品を読むことによって明らかになる。この新作から、諫山の将棋に対する愛が感じられるか否かが判断ポイントだ。ガイドはそう考え、8月6日を一日千秋の思いで待つ。もちろん、読後に書評を書かせてもらうつもりである。どうぞ、お付き合い下さい。
読後の感想はこちら
------------------
追記
「敬称に関して」
文中における個人名の敬称について、ガイドは下記のように考えています。
(1)プロ棋士の方の活動は公的であると考え、敬称を略させていただきます。ただし、ガイドが棋士としての行為外の活動だと考えた場合には敬称をつけさせていただきます。
(2)アマ棋士の方には敬称をつけさせていただきます。
(3)その他の方々も職業的公人であると考えた場合は敬称を略させていただきます。
「文中の記述に関して」
(1)文中の記述は、すべて記事公開時を現時点としています。