特別な立地条件
アンデス山脈の麓にブドウ畑が
「アンデスがあるので、内陸性気候で海からの影響をまったく受けないのです。西側からくる海からの湿気はアンデスを超える前にすべてなくなるので、とても乾燥しています。」乾燥していると病虫害の心配がなく、ブドウ栽培に好条件なのです。畑の管理も有機的にできるので、これもアドヴァンテージのひとつになります。。
標高によって最適なブドウ品種を選択
白品種のトロンテス=1800メートル(メンドーサより北部のサルタ地区)
白品種のシャルドネ=1200メートル(メンドーサ地区)
赤用品種のマルベック=1067メートル(メンドーサ地区)
赤用品種のカベルネ・ソーヴィニヨン=980メートル(メンドーサ地区)
そもそも1000メートル以上でのブドウ栽培などあまり考えないものですが、実際にこのように標高が高い場所に畑があるのです。ですから、冷涼だというだけでなく、紫外線が強いことや空気の薄さといった点でもブドウに何らかの影響を与えているはずなのです。
ちなみに、テラザスのボトルの裏ラベルには、この写真のような南米の断面図が描かれていて、どのあたりでどの品種が栽培されているかが記されています。
固有品種の魅力
テラザスの銘柄の中にある、シャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンは、他国他地域でもよく栽培されているブドウ品種ですが、「トロンテス」と「マルベック」は、それほど馴染みがないかもしれません。「トロンテス」から造られる白ワインは、かつて甘口ワインが主体でしたが、最近辛口仕上げにされることが多くなり、テラザスの「レゼルヴァ トロンテス(2592円)」も辛口です。花や白い果実のアロマが華やかで、とても清々しいフレッシュ感に溢れるワインですから、アペリティフから飲み始められます。アルゼンチンの標高が高くて涼しい気候を、この白で満喫できるのではないかと思います。
ワインメーカーのグスタボ・ウルソマルソさん
シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンも美味ですが、アルゼンチンワインといえばトロンテスとマルベックは是非お忘れなく!
ジョイント・ベンチャー
そして、これはテラザスならではのお話も、ひとつお知らせしておきましょう。フランスのボルドーには、いくつかの偉大なワイナリーがあります。今や、とても高価になってしまって、なかなか手が届かない存在になってしまって悲しいですが。その中に「シャトー・シュヴァル・ブラン」というワイナリーがあります。このワイナリーとテラザスがジョイント・ベンチャーとして造るアルゼンチンの赤ワインがあるのです。偉大なワイナリーがこの地でタッグを組んでワインを造りたいと考えるのですから、潜在能力の高さはそれだけでもわかりますよね。「シュヴァル デ アンデス」という名前です。100年近いという樹齢の高いマルベック、そしてカベルネ・ソーヴィニヨンを主体にして造られた2008年が今、市場にあります。スパイスや黒い果実の香りが繊細に広がり、とても木目細やかで、なめらかな舌触り。上品そのものです。こちらは少し高価ですが(1万1016円)ボルドーワインよりうんとお安いので、機会があれば是非お試しください。
(輸入元/写真提供:MHD モエ ヘネシー ディアジオ)