フィンランド/フィンランドの観光

フィンランド伝統建築が集まるセウラサーリ野外博物館(2ページ目)

ヘルシンキ郊外の海に浮かぶ小さな島のひとつ、セウラサーリは、島の一角が夏季限定の野外博物館になっています。展示品は、国内各地から内部の生活用品ごと移築された、伝統的な木造建築の数々。土地柄や歴史を物語るユニークな建物たちが、豊かな森の中や海辺にたたずんでいます。美しい浜辺散策や森林浴がてら、奥深いフィンランド伝統建築の世界に立ち入ってみませんか。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


主要な建物では、民族衣装をまとったガイドがお出迎え

ガイド

ガイドとはいえ、お声のかからないときは編み物などをして素朴に空間に溶け込んでいるのがおもしろい

看板

各建物の前には、移築前の所在や年代、エピソードなどがビジュアル化された看板が立っている

では建築に興味のある人や、フィンランドの文化史に詳しい人しか楽しめない場所かといえば、決してそんなことはありません。前提知識がなくとも、その場で観賞を楽しみながら、疑問や基礎情報を的確に知ることができるよう、サインボードやガイドが配置されているので、予習なしでも現場で誰でも楽しむことができます。

各建物の庭先には、その建物の移築前の所在や建造された年代、建築の特色や背景エピソードなどが英語や写真でわかりやすく紹介された看板が立っています。まずそこに目を通してから建物の内部を鑑賞すると、イメージがわきやすいはずです。一方で、あまり情報ばかりを押し付けすぎず、基礎知識を得たらあとは各々自由に建物の佇まいを味わって楽しんでください、というスタンスなので、室内には細かな解説などはありません。

ハンズオン

子どものためのハンズオン展示も充実

とはいえ、主要な建物の中にはガイドさんが待機してくれており、歴史的なことから置いてある生活用品の用途まで、聞けば何でも英語で答えてくれます。このガイドさんたちは、それぞれの建物があった地域や年代に由来する民族衣装や当時の衣服をまとっており、来客からお声がかからない時には黙々と編み物や工芸をしていたりと、建物の趣きにすごく溶けこんだ佇まいを見せてくれるのも魅力的です。声をかけたらもちろん写真撮影にも応じてくれますよ。

また、子どもたちが当時の生活の場(子供部屋)を実際に体験できる一角や、子どもを対象にしたワークショップなども定期開催されているので、大人から子どもまで楽しめるミュージアムと言えます。

自然散策を兼ねた島歩きで気分もリフレッシュ

森林道

建物から建物への移動道は、まさに豊かな森の散策道。浜辺には海水浴をする人たちも

リス

森を歩いていると、リスや野うさぎが駆けまわる光景にも出会える

セウラサーリ野外博物館のユニークなポイントは、島の自然景観を壊さないよう、本物の森の中にひっそりと建物が点在していること。建物から建物へと移動する道は、まさにフィンランドらしい森の小径が続いているのです。森では夏にはブルーベリーも実り、リスや小鳥などの小動物たちにも出会えます。さらに、浜辺には海水浴場もあり、博物館ではなくあくまでビーチや森林散策目当てにこの島を訪れるヘルシンキ市民も少なくないのです。

最終ページでは、外せない見どころとサービス施設、アクセスをご紹介!

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