白夜の古城で贅沢観劇！サヴォンリンナのオペラ祭(2ページ目)

オペラ祭は、舞台だけでなく景色や雰囲気すべてを楽しんで！

サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバルを存分に楽しむコツは、演目はもちろん、入場（入城）前の美しいプロムナードを歩く時間、本物のお城の内部観覧、そして幕間の休憩時間など、それぞれのひとときにしか味わえないムードに浸ることです。

オペラ開演の90分前くらいから、徐々に城の前には観客の列ができ始めます。先述したように、城は小さな島の上に浮かんでおり、本土からしばし橋をあるいて入城することになります。席は全席指定なので早く駆けつけて場所取りをする必要はありませんが、城の全景を楽しんだり城内をじっくり歩きまわったりする余裕は開演前にしかありませんので、時間にゆとりをもって会場に到着しましょう。なお、街の中心街から城までは、湖畔の風光明媚なプロムナードを歩いて15分ほど。道中、開演前に小腹を満たしたり軽く一杯できるおしゃれなレストランバーもいくつか並んでいますので、そこで気分を高めるのも良いかもしれませんね。会場内でも開演前からドリンクやおつまみ、スイーツなどを買い求めることができます。

オペラ上演は通常2,3時間にも及ぶので、当然ながら幕間に1,2度の休憩時間が設けられます。この時間は一度客席を立ってトイレ休憩がてら身体を伸ばし、そしてぜひバーや中庭の雰囲気を楽しんでください。観客の多くは中庭に出てきて、グラスを傾けながら城の周囲の景色を堪能します。白夜のシーズンなので夜でもまだまだ明るく、城を取り囲むしっとりした湖と森の夕景はフィンランドの真骨頂と言いたくなる名景。このようにオペラ以外にも楽しみや見どころが満載なのがサヴォンリンナ・オペラ・フェスティバルならではの魅力なのです！

オペラ・フェスティバル参加に公式的なドレスコードはありませんが、やはり多少はドレスアップを心がけて、自分自身の雰囲気も高めたいところ。とはいえ、実際常連客でも燕尾服や華美なイブニングドレスをびしっと着てくる人は意外と少なく、男性ならスーツにネクタイ、女性ならパーティードレスやフォーマルなワンピースなどでも十分周りに溶け込めますので、気張り過ぎなくても大丈夫ですよ。むしろ気をつけたいのは、会場内は客が集まってくると多少は熱気で温かく感じられるものの、やはり古い石造りの空間なので、天候や時間によっては鑑賞中にかなり肌寒く感じられる日も。見栄えだけにこだわらず、ショールやジャケットを傍らに携えておくことをおすすめします。それから、場内では足元も暗い上に不安定な箇所が多いので、女性のピンヒール歩行はくれぐれもお気をつけ下さい。

チケットとホテルの予約は思い立ったら即実行！

オペラ・フェスティバル参加を決めたらまず事前にしておかなければいけないのが、チケットの予約とホテルの予約。オペラの終演時間は通常21時を回りますので、その後にヘルシンキにとんぼ返りというのは少々無理があります。ですから、終演後はサヴォンリンナ内に宿泊するプランが無難です。ところが、オペラ・フェスティバル開催中は市内のどこのホテルもあっという間に埋まっていくので、日が近づくとオペラのチケットはとれたもホテルはとれない……という事態も起こりかねません。行くと思い立ったら、必ずチケットと合わせてホテルのブッキングも早く済ませてしまいましょう！

ちなみにチケットは、オペラ・フェスティバル公式サイト内に"Buy Tictet"のリンクがありますので、そこからウェブ上で手続き・クレジット払いができます（案内は英語）。購入チケットはe-チケットとして指定メールアドレスに送ってもらい、それを印刷して当日持っていけば有効ですので、きちんと手順を踏めば海外からでも自力で予約が可能です。

無事にチケットとホテルが押さえられたら、あと当日までにやっておきたいことは、やはり観賞演目の予習。もちろんこの場で世界初演されるような作品もありますが、古典的な名作を見るのであれば、やはり話の展開や配役などは、事前に日本語で予習をしておくと、当日言語がわからずとも展開についていくことができ、余裕を持って演奏や歌、演技まで楽しめるはずですよ。

＜サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバル会場DATA＞
■Olavinlinna（オラヴィンリンナ／オラヴィ城）
住所：Olavinlinna, 57130 Savonlinna
TEL：+358 1 5531 164
アクセス：サヴォンリンナ（Savonlinna）までは、ヘルシンキから列車で約4時間15分。オラヴィ城までは、駅から南東方向に徒歩約15分
※オペラ・フェスティバルの開催期間は17:30以降は観客のみ入場可能