そもそも「ぬる湯(温湯)」とは?

暑い季節にこそぬるい温泉がおすすめ!

暑い季節にこそぬるい温泉がおすすめ!

温泉=肌寒い季節に浸かるもの、と思って疑わない方が少なくはないかと思われます。しかし、私は暑い夏にこそぜひ浸かっていただき、これまでの温泉に対して持っていた概念のようなものを覆して欲しい……そう思っております。

そこでオススメしたいのが「ぬる湯」なのですが、これはどんなお湯なのでしょう? 答えは40℃以下の温泉のこと。つまり人肌程度の温泉のことを言います。人間の体温はだいたい36℃台ですが、それくらいの湯温って実は、浸かってみると結構ひんやりするものです。けれども、ただの真湯と違って温泉なので湯力は相当なもの。

ちなみに、持続湯とも呼ばれるぬる湯は、37~39℃の湯温に浸かる「微温浴」、34~37℃の湯温による「不感温度浴」に分けられます。

人肌くらいの温度のぬる湯は、温泉に浸かっていると自分の存在がわからなくなってしまうかのよな感覚に陥りますが、これが体にストレスなく日常の疲れやコリが解れていくと言われています。

これからの季節は、「ちょっとぬるい?」と思う温度が、ゆっくり浸かるにはちょうどよく、暑い日にはとにかく気持ちがいい! そこで、この季節にこそぜひ味わってほしい東日本に湧くぬる湯温泉をいくつかご紹介しましょう。

<目次>

 

名湯だらけの群馬県にもぬる湯はある! 川古温泉浜屋旅館

浜屋旅館の玄関

川古温泉浜屋旅館の玄関

群馬県には、草津や四万、万座温泉といった有名な温泉地に湧く温泉以外にも、素晴らしい温泉が多く存在します。

特に上州、みなかみのあたりは、泉温が低いながらも泉質が素晴らしい名湯ばかりで、オススメしたい温泉がいくつかありますが、なかでも特に素晴らしい! と感激したのは、川古(かわふる)温泉浜屋旅館です。

ここは、環境省によって国民保養温泉地に指定されている湯治宿ですが、日帰りで立ち寄っても受け入れています。 
 
開放感のある混浴露天

露天風呂

まずはお宿の顔とも言える存在の露天風呂から。湯の温度は39℃くらいのややぬるめの湯。露天風呂だと外気に触れる分もあって、よりぬるく感じられます。自家源泉、かけ流し。ここは混浴ですが目隠しの部分もあり、比較的入りやすい部類の温泉 (バスタオル巻きが可能で、湯浴み着も販売)  だと思います。
 
泡付きのある内湯

男女別内湯

続いて内湯。2~3人サイズの比較的小さめの浴槽ですが、よく見ると足下から温泉がポコッ、ポコッと湧いています。これが本当にたまりません!! フレッシュな湯の証とも言える、小さな泡が瞬く間に全身を包み込んでくれます。これがすごく気持ちがいい!!

露天もいいけど、極上のぬる湯を求めるならぜひ内湯がオススメです。

〈DATA〉
川古(かわふる)温泉 浜屋旅館
・住所:群馬県利根郡みなかみ町相俣2577
・電話:0278-66-0888
・日帰り営業時間10時~16時
・料金:1000円
公式ホームページ

 

福島にある その名も微温湯(ぬるゆ)温泉旅館二階堂

鄙びが魅力の微温湯温泉

微温湯温泉の正面

福島市内から約20km、磐梯朝日国立公園吾妻山の標高920mのところにある微温湯(ぬるゆ)温泉旅館二階堂。その名のとおり、ぬる湯を楽しむことができる一軒宿の温泉です。奥に見えるのは茅葺き屋根の建物ですが、現在も湯治部の宿として、大切に利用されています。
 
宿内の様子

きれいに掃除された廊下

昔ながらの鄙びた周囲の雰囲気を楽しみつつ、長い廊下を進んでいくと温泉があります。こちらの温泉は露天風呂がなくて、男女別内湯のみ。少しびっくりするほどシンプルで素朴な入口でした。初めてなのに、なんとなく懐かしい気持ちになるのが不思議……。 
 
男女別内湯

手前が源泉浴槽 奥が加温浴槽

浴槽は手前がぬる湯が堪能できる源泉浴槽で、奥のポリバスが42℃程に加温された浴槽です。源泉浴槽は、源泉が豪快なまでに浴槽へと注がれていて、その様子を見ながら、じっくりと、そしてたっぷりと存分に温泉を楽しむことができます。暑い夏はとにかく最高です。

気温が31℃というと暑いと感じますが、湯温だと少し肌寒いと思うから不思議なもの。 はじめはひんやりとしていて、なかなか温まる様子はありませんが、この温度が今の季節だととても絶妙で、しだいに気持ちよく感じられます。でも、なかなか出られない……。
 
湯力のある温泉

目に効くと評判

常連の方いわく、この温泉は「目に効く」と評判の温泉なんだそうです。事前にそう聞いたので、日頃パソコンやスマートフォン等で酷使している目に源泉をパシャパシャして、目を労りました。酸性泉の温泉は少し刺激が強くも感じられましたので、化粧品等でもかぶれやすい方、デリケートな肌質の方はちょっと注意が必要かもしれません。違和感を感じたら、すぐにシャワーで洗い流して下さい。

湯上がり後はさっぱり、そしてお肌がツルツルしていました。そしてしばらくするとポカポカしてきて、じんわりと汗ばんできます。改めて、ぬる湯でありながらもここは温泉なんだなとしみじみ実感しました。

〈DATA〉
微温湯温泉 旅館二階堂
・住所:福島県福島市桜本字微温11
・電話:0245-91-3173
・日帰り温泉営業時間:10時~17時
・料金:500円(税込)
公式ホームページ

 

源泉温度33℃なのに体はポカポカ! 新潟・駒の湯山荘

駒の湯山荘入口

駒の湯温泉駒の湯山荘


関越自動車道小出ICから約20分。奥只見に続く湯之谷温泉郷の最奥に位置するのが、駒の湯温泉駒の湯山荘です。途中から携帯電話の電波が届かないという、文字通りの秘湯温泉ですが、ここに湧く湯は暑い夏こそ、とにかくオススメ!東日本のなかではイチオシのぬる湯温泉なのです。
 

混浴露天

タオル巻きokの混浴露天風呂

混浴ですが、バスタオルをお宿で貸し出して下さいます。源泉温度33℃ほどのぬる湯は、はじめは少しヒヤっとしますが、浸かっているうちにじわじわと、体がポカポカしてきます。無色透明のアルカリ性単純温泉は、比較的クセがないので、デリケートな肌質の方でも安心して楽しむことができる万人受けする温泉です。(私は宿泊しましたので、どの温泉も楽しむことができましたが、日帰りのみの場合は日帰り専用の女性風呂と混浴風呂を利用できます。)
 
豪快に注がれる源泉

ドバドバ掛け流し

混浴浴槽だけではなくて、男女別の温泉や加温された浴槽などバラエティーに富んでいるので、冷えたら加温浴槽で体を温め、そして少し休憩をしてまたぬる湯の温泉へと、ゆっくり、そしてじっくり湯を楽しむことができます。

毎分2000リットルと湯量がとにかく豊富で、中には豪快なまでに注がれているものもありました。湯に浸かってよくお肌を見てみると、細かい泡がびっしりお肌を纏うのですが、これがすごく気持ちいい!
 
ランプの明かりが幻想的

一部屋一つのランプ

このお宿は、自家発電のためテレビもなければ携帯電話もつながりません。部屋の明かりはランプのみ。このときばかりはデジタルデトックス。日常を忘れて、ただただゆっくりと温泉だけを、四季折々の景色を楽しみながら湯を堪能するのも、すごくいい気分転換となりました。

東京から車で3時間と、比較的行きやすい秘湯のぬる湯温泉だと思います。

<DATA>
駒の湯山荘
・住所:新潟県魚沼市大湯7191-1
・電話:090-2760-0305(衛星電話)
・日帰り温泉営業時間:8時~16時(受付終了)
・料金:500円
公式ホームページ
 

鬼怒川温泉で穴場のぬる湯!仁王尊プラザ

外観

一見わかりにくいかもしれませんが…いいぬる湯があるんです

浅草から東武鉄道に乗って、電車に揺られること1時間30分。あっという間に到着する鬼怒川温泉は、アクセスが良いこともあり、東京から訪れる湯旅客が多い人気のある温泉地です。なかでも鬼怒川仁王尊プラザは、いわゆる温泉街からはちょっと離れたところに位置しているため、若干わかりにくいかもしれませんが、ここ、知る人ぞ知る極上のぬる湯が湧いています。
 
混浴露天風呂

舞台の湯は混浴なので湯浴み着が必要です

温泉は内湯と露天風呂、家族風呂がありますが、「舞台の湯」と名付けられた露天風呂は、男女混浴となっているので、浸かるためには湯浴み着が必要です。(湯浴み着は鬼怒川仁王尊プラザでも販売されています)

泉質は含硫黄・ナトリウム - 硫酸塩泉・塩化物泉(アルカリ性低張性温泉)、pH9.61の強アルカリ性温泉。加水や加温、循環、消毒なしの、源泉かけ流しの湯が注がれています。

*「舞台の湯」は、4月中旬から11月中旬までの期間限定です。
 
露天風呂

屋形船の浴槽が特にオススメです!

いくつか浴槽がある中で、ガイドが特にオススメしたいのが、屋形船の露天風呂。この屋形船は、鬼怒川ライン下りで実際に使用されていた遊覧船で、船がそのまま湯舟になっています。

源泉から一番近いところにあることもあり、ここの浴槽の湯が一番フレッシュでぬる湯がとても気持ちいい!湯口付近では特に、新鮮な湯の証とも言えるアワアワが体に付着します。

少し硫黄の香りが漂う無色透明な湯は、化粧水のようにトロッとしていて、湯上り後はすべすべする浴感の美人の湯なので、女性は特に嬉しいぬる湯温泉です。

<DATA>
鬼怒川仁王尊プラザ
・住所:栃木県日光市鬼怒川温泉大原371-1
・電話::0288-76-2721
・日帰り入浴時間:9時~21時(最終受付20時)
・料金:大人(中学生以上)700円
公式ホームページ

 

松本の奥座敷に湧くぬる湯 扉温泉桧の湯

桧の湯

扉温泉に佇む共同浴場です

松本市内から約15分。ビーナスライン、県道67号へ入り少し険しい道を進むと、里山にひっそりと佇んでいる、扉温泉桧の湯。ここは、地元の人が多く利用している共同浴場ですのでガイド本には掲載されていませんが、一般利用もできる、ぬる湯が湧く温泉です。
 
露天風呂から

温泉は男女別内湯と露天風呂

温泉は男女別で内湯と露天風呂があり、源泉温度が40.2℃ですが、浴槽には38℃ほどになったぬる湯が、たっぷりと注がれています。なめらかな湯の泉質はアルカリ性単純温泉ですが、少し硫化水素臭がし、うっすら白く濁っているように見えました。

森に囲まれ、マイナスイオンもたっぷりと浴びながらぬる湯をじっくりと堪能できるという、穴場の温泉ですが、夏場は虻も登場するため虫対策をしっかりとして入浴して下さいね。

<DATA>
扉温泉 桧の湯
・住所:長野県松本市入山辺8967-4-28
・電話:0263-31-2025
・日帰り入浴時間:10時~19時(入場受付は30分前まで)
・料金:大人300円
公式ホームページ


全国各地にぬる湯やひんやり温泉は結構ありますが、なかでも東日本のおすすめ「ぬる湯」をいくつかご紹介しました。ぬる湯は一度体験すると、ゆっくりと日頃の疲れやコリが解れ、長湯で温泉に浸かることができるのが魅力的で病みつきに…ぜひ「ぬる湯」を体験してみてはいかがでしょうか?
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