ウォッカだけじゃない! ロシアの定番ビール“バルチカ”
ロシアの定番ビール、バルチカ#3
「バルチカ」ビールは、0~9番まで番号がついており、それぞれ味わいが違います。数字が大きくなるほどアルコール度数も高くなります。各数字の意味は以下のとおり。(※#1のライトは今はバルティカライトという別シリーズで展開。#10以降の数字も限定販売などで使われたことがあります)。
#0 ノンアルコール
#2 ペール
#3 クラシック
#4 オリジナル
#6 ポーター
#7 エクスポート(輸出用)
#8 小麦のビール
#9 ストロング(アルコール度数が高め8%)
最も伝統的なのは、1992年に発売された#3のクラシックビール。アルコール度数は4.8%未満と一般的なビールと同等。クリアなゴールドの色をしているのでライトな味わいを想像しますが、飲んでみると意外に味にパンチがあります。さっぱり軽い口当たりながら、ホップの苦味や麦芽の味わいがしっかり感じられます。
ロシア=ウォッカはまちがい?
モスクワの街並み。暑い夏ならビールも旨い!
数字で見ても明らかです。ロシアは世界有数のビール消費国で、国別のビール消費量は世界第4位。国民一人あたりでも世界17位(74.1リットル)で、日本(43.5リットル)の約1.7倍にも上ります(出典:「キリンビール大学」レポート2012年)。
モスクワにはビアバーやパブも増加中。ロシアの人たちはサッカーを観るのが好きですが、スポーツ観戦ができるようなパブでは、観戦のお供はビールが定番です。また、モスクワではここ数年日本食ブームなので、日本のビールもポピュラー。かつては寒い国のせいか、キンキンに冷やしたビールはなかなか出てこなかったようですが、最近は冷たいビールも飲めるようになってきました。ちなみにバルチカ社は、2008年からはアサヒビールとライセンス契約も締結し、「アサヒスーパードライ」の生産・販売もおこなっています。
数年前までロシアではビールはジュースだった!?
実は、ロシアでは数年前までビールは事実上、清涼飲料水という扱いでした。しかし、さすがに今の時代にそぐわないと考えられたのでしょう。2011年に法改正がおこなわれ、飲酒に関する規制の対象がアルコール度数12%から0.5%まで引き下げられました。以前は公園などでビールを飲む若者の姿も見られましたが、今は公共の場所における飲酒はビールも含めて全面禁止になっているので旅行者も要注意です。ちなみにロシアに限らず、公共の場所で飲酒を禁止している国は結構ありますね。ロシアではアルコール依存症の人が多く、トラブルも多かったため、アルコール消費量を減らす目的で、このような措置にふみきったようです。そんな歴史もあって、ロシアの人にとってビールは言葉どおり水やジュース感覚。スーパーでは500mlが100円以下で買えるし、レストランやカフェでも水より安く飲めることもあります。モスクワなどでは夏季限定でオープンテラスを出す店も多いので、ぜひ旅行の際は短い夏を感じつつ、ビールで一息ついてみては?