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『思い出のマーニー』とジブリの少女映画(3ページ目)

ジブリの新作アニメ「思い出のマーニー」(2014年7月19日公開)は、傷つきやすいひとりの病弱な少女が心を開いて再生していく姿を描いた少女映画です。ヒロインの心の旅のお供をするのがマーニー。現実と幻想で描かれる世界は童心に戻らせてくれます。というわけで、今回は『思い出のマーニー』とジブリの少女映画をご紹介しましょう!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

原作を超える作品になった?傑作少女アニメ2本!

『魔女の宅急便』(1989年度作品)
魔女の修行のため、猫のジジと港町にやってきた魔女見習いのキキが、港町のパン屋さんの宅急便をお手伝いしながら、町の人との間の交流を深めていく物語。

原作は角野栄子。2013年に実写化もされました。でもやはり『魔女の宅急便』といえばジブリ! ジブリ映画の少女らしく、キキも前向きで元気な女の子です。気が優しくて何でも一生懸命なので、凹むことがあっても誰かが助けてくれるのですね。
13歳とはいえ、魔女だからか、思春期の女の子ならではの複雑さがないのがちょっと物足りないけど、キキと港町の人々とのふれあいやトンボとの初恋(?)のようなかわいいやりとり、そして何より空を飛ぶシーンの爽快感が気持ちのよい作品です。

監督:宮崎駿 声の出演:高山みなみ、佐久間レイ、戸田恵子、山口勝平、加藤治子ほか

『耳をすませば』(1995年度作品)
幼い頃から読書好きだった雫。彼女が図書館で借りる本の貸し出しカードには必ず天沢聖司の名前がありました。中3になった彼女はその天沢に逢うことになり、二人の距離は縮まっていきます。しかし、彼はヴァイオリン職人を目指しており、やがて別れが……。

ジブリ映画らしくヒロインは文学少女。ちょっとツンデレな初恋の天沢くんとの関係がもう甘酸っぱさいっぱいで、初めてのデートなどを思い出す人がいるかも。
天沢君は、将来の夢をピンポイントで決めているところが素敵ですね。ひとつのことに懸命になる姿は美しいし、夢追う男子が好きな女子は多いですから~。
そんな女子心をガシッと掴むのは、この映画の原作が柊あおい先生の少女漫画だからでしょうか。しかし、中学卒業くらいの年で将来を決めるってすごい!

監督:近藤喜文 声の出演:本名陽子、高橋一生、小林桂樹、露口茂、立花隆、室井滋、山下容莉枝ほか

※ほか『風の谷のナウシカ』も少女映画ですよね。あまり宮崎作品ばかり取り上げても……と思い、今回ははずしましたが、もちろん『風の谷のナウシカ』もオススメですよ。少女映画というと恋愛はかかせませんが、正直、ジブリの少女映画は恋愛色は希薄です。でもヒロインは前向きで懸命に生きる少女たちばかり。中には内面に葛藤を抱えている少女もいたりして。そんな彼女たちに共感したり、刺激を受けたり、そのけなげさに泣けたり……。見る者の感情を震わせるヒロインたちだからこそ、引き込まれるのかもしれません。

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