小さな少女とキュートな姉妹が織りなすファンタジー

『借りぐらしのアリエッティ』(2010年度作品)
14才のアリエッティは古い屋敷の床下に一家と暮らしている小人一家。誰にも見つからないようにするのが一家のお約束だけど、屋敷にやってきた少年にその姿を見られてしまいます……。

『借りぐらしのアリエッティ』も『思い出のマーニー』と同じく米林監督作であり、海外の児童文学をベースにしています。アリエッティ一家は外国人、アリエッティと知り合う少年は病弱というところも『思い出のマーニー』とかぶりますね。でもこちらは『思い出のマーニー』ほど、情感を全面に押し出していません。もっとおとぎの国のお話しのよう。この映画について、米林監督は「宮崎監督を意識しすぎた」とコメントしていますが、初監督作でジブリ色を壊さぬようにと考えたのかも……。これがあっての『思い出のマーニー』だと思います。
それに『借りぐらしのアリエッティ』の方が小さなお子さんの受けはいいのでは?ちゃっかりしたアリエッティのキャラは14才にしては幼く、小さなおませさんみたいですから。

監督:米林宏昌 声の出演:志田未来、神木隆之介、大竹しのぶ、竹下景子、藤原竜也

『となりのトトロ』(1988年度作品)
小3サツキと5歳のメイは入院中のお母さんを空気のきれいな家で迎えるため、お父さんと一緒に田舎の古い家に引っ越して来ます。しかし、空き家のはずのその家にはススワタリという不思議な生き物がおり、その後、二人はトトロに出逢う……。

子供にしか見えないトトロはおそらく森の妖精、守護神みたいなもの。トトロがサツキとメイを受け入れるのは、二人に目の前の世界を素直に受け入れる純粋さがあったからでしょう。
物語は、姉妹が田舎の生活にとまどったり、病気のお母さんを心配するやさしさを見せたり、ちょっと姉妹ケンカをしたり、そんな何気ない日常を描いており、大きな事件は起こらないけれど、どこかホっと安心する映画です。
どんなにテクノロジーが進化しても、人はこういう風景に癒されるのではないかなあと。サツキとメイとトトロたちが生きる世界を壊してはいけないと平和な日本を守りたくなる映画です。

監督:宮崎駿 声の出演:日高のり子、坂本千夏、糸井重里、島本須美、北林谷栄ほか

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