昔の牧歌的ないじめとは違う現代のいじめ
学校で子供の心が壊れていく
現代のいじめを一言でいうと「陰湿かつ悪質で子供の心を確実に壊していく巧妙な行為」であるということです。
例えば、ドラエモンを思い出してみたください。昔のいじめは、ジャイアンという典型的ないじめっ子がいて、のび太君という典型的ないじめられっ子がいました。そこには、しずかちゃんといういじめっ子をいつもかばってくれる優等生がいて、いじめっ子のジャイアンもしずかちゃんの言うことは聞いてくれました。ですから、のび太は、多少痛い思い、悔しい思いをしても決して孤独感、無力感に陥ることはなかったと思います。
それと比べると現代のいじめは、そのしずかちゃんがいじめの首謀者で、一見いじめとは無関係に見えるのび太君を使って、大人からはいじめられるようには見えないジャイアンをいじめる、そしてしずかちゃんは決して表には出ないというような構図です。万が一、スネ夫君がジャイアンをかばおうものなら、いじめのターゲットはすぐにスネ夫に変わります。そして、昨日までいじめられていたジャイアンも、自分がいじめられないためにいじめる側にまわるというようなことが、実際に、今現在でも教室の中で繰り広げられているのです。そしていじめで自殺をしてしまう子も絶えません。このような現代のいじめの特徴をもう少し詳しくみてみましょう。
暴力行為は伴わないが、確実に子供の心を壊していくいじめのパターン
子供たちの間では最近は「外される」と言われます。ある日突然、ターゲットになります。昔と違うところは、1対クラス全員というように、徹底的に追い詰められます。また、時々休息デイがあり、「あ、終わったかな」と思わせて次の日からまた始めるというように、非常に陰湿化しています。
被害生徒が、加害生徒の命令で決められた動作を強要させられ、抵抗すると集団暴行を加えられる。例えば、「1、ピストル自殺の真似」「2、ピストルで撃たれて倒れる真似」と番号を振った行動を割り振られ、「○○ちゃん(被害生徒)ショーの始まり~」と教室に一人残し、他の生徒は廊下で見学。年齢が上がるとマスターベーションを皆の前でさせられます。
被害生徒を皆でばい菌扱いし、被害生徒が入ってくると教室の窓を開け「ばい菌、ばい菌」とはやし立てる。「きたねえ、くせえ」とその生徒が触れたものには一切触れないようにし、給食当番などでその生徒が配ったものは誰も食べない、その生徒がプールに入ると、他の生徒は一斉にプールから出るようなことをします。
少し前までは、学校裏サイトなるものが存在し、そこでの掲示板での悪口、誹謗中傷のチェーンメールが主流でした。最近はスマホの普及に伴い無料アプリであるLINEをつかったいじめが主流です。服を脱がせた写真を回す、恐喝をするなどです。LINEいじめのたちが悪い点は、外部からみることができない完全に密室であるということです。また、学校でのいじめの人間関係が24時間継続することでいじめ被害者を精神的に追い詰めていきます。
>>暴力行為を伴い、「犯罪」と呼べるいじめのパターン