寺山さんの文章は本当に凄い
ガイド:「ぼくらは海に憧れる」は寺山修司さんの詩が元となっていますが、ぜひここで寺山修司さんの魅力について語ってください。一番、好きな劇とかは?
ぼくらは海に憧れる (YouTube)
サナエ:
寺山さんの文章は本当に凄いですよね。行き場のない感情や気難しくなって困っている所や、孤独を掬いとってくれている気がします。好きな短歌があります。
少女詩集など少女を描いたものも好きですが、少年のイメージは一層、気高い感じがして好きです。「宝島」の他に好きな寺山劇は「毛皮のマリー」です。鉛筆は かなしからずや 少年の 天文学の 夜をぬりあまし
興福寺の阿修羅像が好き!
ガイド:サナエちゃんは神話が好きなんですよね。おどろおどろしいサウンドの「阿修羅」も仏教における守護神、しかも好戦的な神ですから、神話の神としては異端ですね。
サナエ:
「阿修羅」を、こんな風に取り上げてもらって嬉しいです! 仰る通りの阿修羅です。興福寺の阿修羅像が好きなんです。怒っているような悲しいような憂いているような美少年の像がずっと気になっています。美しいと思います。
ガイド:
実は、僕の知り合いにも神話が大好きな人がいて、その人は、自己紹介で必ず「私の職業は妖精なの、オホホッ…」て言っています。サナエちゃんにとって神話の魅力は? 僕は、多くの神話には結構とんでもない神、人間以上に欲が深い神もいて、そこに物語的魅力を感じます。
サナエ:
妖精はトトロ位しか分かりませんねぇ(笑)。それからそうそう!とんでもない神や欲深い神には驚かされますね! 私は神話が好きですし、興味があります。読んでいると、自分がどこから来たのかわからない位遠い場所に、辿り着ける気がするからです。それと、集合意識の隠れた欲望や本音が暗示されているようで面白いです。それから、飛んでもない発想と展開が好きです。膨大なパワーの表現の自由度が痛快です。この辺りは四方さんが感じてらっしゃる所と近いと思います。日本神話、インド神話のマハーバーラタ、旧約聖書、ギリシャ神話で、そんなエピソードが多くあったと思います。
ガイド:
鉄子、空美、歴女の次は、神話ガールです。
この話、ノッて頂いたみたいなので、別の機会にもっと続けましょう(笑)。
機械には大分人間的なところある
ガイド:語り口調の「コンピューターガール」を聴いて思いだしたのが、僕の大好きな80’s映画『エレクトリック・ドリーム』。これは、ガールフレンドが出来た青年に嫉妬をして反乱を起こすコンピューターの話です。フェティシズム溢れるテクノポップになっていますが、サナエちゃん自身は、人間および機械に対して何かフェティシズムをお持ちでしょうか?
コンピューターガール (YouTube)
エレクトリック・ドリーム (All Aboutテクノポップ)
サナエ:
こちら知らなかったです、記事を読ませて頂きました。いいジャケですね。観てみたいです。私にそのフェティシズムはないと思いますが(笑)、こちらの『エレクトリック・ドリーム』同様に、機械には大分人間的なところあると思います。機嫌悪くなったりとかするし… 打ち込みで作曲録音をずっとしている時は、自分のコンピューターのこと、かなり好きになってましたねぇ。苦楽を共にした間柄で戦友というか。いい所見つけないと向き合っていけないのは、人間と一緒なんですよね。